アメリカの鉄道事情: 観光列車の巻
鉄っちゃんネタもこれで最後です。ちなみに私は鉄道マニアではありませんので、あしからず。(知り合いにいますが、彼らの鉄道にかける情熱には感心してしまいます。)
さて、第1弾目のエントリー「アメリカの鉄道事情: SFベイエリアの巻」に以下のように書きました。
"アメリカでも先世紀初頭ぐらいまでは、開拓時に張り巡らされた鉄道網が健在で、沢山の鉄道会社もありました。しかし、モータリゼーションの波によって、一気に枝の線路が廃業に追いやられ、車社会へ。{中略}現在、地方では観光用の路線(ディナートレインの類)以外、基本的に自家用車が市民の足です。"
「大草原の小さな家」シリーズの「長い冬」(雪で東からはるばるやって来る生活物資が何ヶ月も届かなくなるという窮状が出てきます)に出てくるような、鉄道=物資の生命線という時代も遠い過去の話。アメリカ人にとって、鉄道とはその時代のノスタルジーの象徴でもあるわけで、アメリカ各地に残った廃線は観光目的に使われていることも多いです。今回は、そのお話。
ベイエリアの北部、ナパやソノマといった地域は、数十年前には貧困な土壌のため農作も盛んでなく、産業の無い、住民が貧しい生活を送るエリアでした。土地特有のぶどう造りに最適な気候が注目されて、その後ワイン醸造が始まると、またたくまにカリフォルニア・ワインの産地へ。ベイエリア周辺には、南のモントレー半島周辺にも産地があり、今やカリフォルニア・ワインは米国製ワイン(しかも良質なもの)の代名詞。ナパという土地は功成し遂げた人間達がワイナリーを構え、観光客とワイン好きを相手にのんびり暮らすという「人生の上がり」的な憧れスポットにすらなっています(例:映画監督F.コッポラ)。有名なレストランも多く、何となく高級感漂うお土地柄ですね。
現在、そのおかげで観光地としても栄えているわけですが、そうなると当然過去あった廃線も観光用路線に化けるわけですね。少々お高いものの、「ワイン・トレイン」は1年を通じて人気のある列車になっています。一度も結婚記念日で乗りに行ったところ、後ろに多人数のアメリカ人の観光客団体が満載でした。カウボーイ魂を発揮して飲みまくりの大騒ぎ。しょっぱなから出発を待ちきれずに、「酒、酒」言ってウェイターに嫌がられてるし。
「ここはワイントレイン。お願いだから、ビールじゃなくてワインを飲みなさい!!!」
ちなみに、普段はそんな雰囲気ぶち壊しなことはなく、間違いなく優雅な一時を楽しめる模様。ワイナリーの本場だけあってワインは言わずもがな、料理の味も結構いけます。
アメリカ各地にはこのようなディナー・トレイン、結構走っているのですが、大抵、廃線を利用しているので、路線は単線、一直線を行って帰ってくるだけ。線路のメンテナンスも大してやっていない筈なので、非常にゆっくりしたペースで、食事等を楽しむ数時間をかけて往復します。
残念ながら、ワイナリーが広がるナパの主要幹線の脇を並走するので、特に街中の眺めはあまりよろしからぬものが...(昼ならば運転手や子供達が手を振ってくれたりします)。ただし、途中から郊外になるとブドウ畑が広がり、遠くに山々が見える風景はなかなかなごむし、いいものです。車両は昔のものをきれいに改装していて、内装もゴージャス。オリエント急行とかを連想させる感じかな。2枚目の写真が最初にワインを楽しむサロン・カーで、その後列車が折り返すと3枚目の写真の食堂車で食事をするといったスタイル。ワインバーや展望車もついています。(お構い無しに飲んでましたがね。)
その他の観光地で走っている、似たようなアイデアのディナートレイン、気付いたところでは、シアトル、バンクーバー。他にも、探せばいろいろあることでしょう。4枚目の写真はミネソタ州のマイナーな街で走っているディナートレイン。食事はやっぱり不味く、量だけといった感じ(アメリカ人でも食えねぇよ、というぐらい出てきます)。おもしろかったのはコーラス隊が同乗していて、
「ホラ、もうすぐ出発。乗り遅れちゃ駄目ですよ♪♪」
→皆、乗車済みなんですがね
「おいしいディナーがもうすぐ、もうすぐやって来る~♪」
とか通路を歌い歩く、ショーの部分。いちいち歌わなくてもいいのに、といった感もあったのですが、古い兵隊の服装等々お色直しありのコスプレもしているので、知らずに最初見たときはヤンヤといった感じでした。
そこら辺のショーでも分かるように、古き良き時代の象徴でもある列車を利用した観光ツアーみたいなものなんですよね。場所によっては、海岸線を走って夕焼けを眺めるロマンチックな観光列車もあるようです。ここに写真を載せたミネソタの列車の場合、ゴルフ場の中走ったりもしてましたけどね。そういった過去の遺産的な立場から、アメリカの各地に行くと、小さな鉄道博物館なるものがあちこちにあります。ベイエリアでも、サクラメント辺りにあった気がしますね。アメリカの古き良き時代に乾杯です。
(完)
【過去のコメント】
[ポピー] [2004/01/31 21:05] [ MyDoblog ]
電車(列車)のお話、すごく文化的なにおいがして良かったです。
ナパバレーのワインは有名ですよね。私もコッポラのワイナリーは一度行った事があります。いろいろ試飲を
してたら結構酔っちゃったような・・・
「ワイン・トレイン」いいなー。
[blue&gold02] [2004/01/31 22:06] [ MyDoblog ]
ワイントレインはお勧めですね。来客が来たときも連れて行ってあげたら、皆結構喜んでました。アメリカなのに、料理がちゃんとしているのもいいところです。
[MediHen] [2004/02/01 23:25] [ MyDoblog ]
これは、いいものを教えていただきました。
「ディナー・トレイン」というのですね。Googleで見たら、ナパ以外にもあちこちにあるみたいですね。今度(いつだ?)、ぜひ、試してみたいものです。
[blue&gold02] [2004/02/02 00:58] [ MyDoblog ]
アメリカへいらっしゃるのでしたら、ぜひ。
ただし、ナパのワイントレイン以外は、料理の質はニの次かと(おいしい所もあるのかもしれませんが)。何せアメリカですからねぇ。


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