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2004.11.28

あやうし!ドナルド! (本名 ロナルド・マクドナルド)

 TV番組の「なんでも鑑定団」とかを見ていると、企業の商品キャラって人気あるんですよね。アメリカでは Trade Character とか言うんだっけな?日本でも、それ専門の販売業者がいるようです。
 
  
  Pop-Up Toy
  Kiarry's
  RPM    
 
 
 日本にいるとあまりおなじみでないキャラとかがいて面白いんですが(ツナ缶のイルカ→イルカの愛護団体からクレームが来たとか言う記事を読んだ記憶も)、そうした古いグッズを集めたこの本がお気に入りだったりします。
 

  

What a Character!: 20th Century American Advertising Icons
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 さて、少し前に、こうしたアメリカの企業キャラの人気投票が行われた様子です。結果はこんな感じ(Yahoo! presents AdWeek NYC)。
 
 
 AMerica's Favorite Icons: Top 5
 1. M & M Characters®
 2. AFLAC Duck®
 3. Mr. Peanut®
 4. Pillsbury Doughboy®
 5. Tony the Tiger®


 粒チョコキャラに次いで、保険屋アヒルが人気とのこと。CNNも皮肉な調子で、このネタを取り上げています(22004.8.20 "Advertising builds character - Even failures take up brain space")。
 
 
 And though I'm sure his ubiquity has improved the company's visibility, I don't know anyone who likes the Ditech Guy.

Lovable advertising characters may be a thing of the past. Looking over the Yahoo! list, the only creations I see from the 1990s or later are the AFLAC duck and the M&M Guys. The majority of them date from 1975 or earlier -- in some cases (Mr. Peanut, the Michelin Man, the Coppertone Girl) much earlier.

 
 コカコーラの例等を挙げつつ、「キャラの人気が商品の成功に結びついていない」と書いているのですが、特に上に引用した部分では「過去のキャラに人気アリ」との現状を語っています。ちなみに皆の嫌われ者の "Ditech Guy" ってのはやたらにCM売っている胡散臭い金融関係(だったかな?)のCMに出てくるオッサンのこと。
 
 前段の部分でコンテストの紹介を枕にしているんですが、

 
 Recently, some of the most notable figures in popular culture gathered in New York to solicit votes.

 They were not political candidates, athletes, movie stars or rock musicians.

 Try advertising icons.

 There they were, the creme de la creme of American (and a little European) creativity: Mr. Clean. Michelin Man. Mr. Peanut. Chiquita Banana. The Kool-Aid Pitcher (aka The Kool-Aid Guy or "Hey, Kool-Aid!"). Ronald McDonald. Green Giant. Tony the Tiger.
 
 
 とまぁ有名キャラを羅列。そうここで気付くではありませんか。全世界で名の通ったアメリカ企業ブランド、マクドナルド。このキャラはやっぱりトップ5に残らない程度の人気なんですね。
 
 
  pict/mcd

 
 日本のネット界隈ではいじられキャラとして特殊な人気を博しておりますが。ちなみに、日本名ドナルドも、本名 Ronald McDonald なので、実際はロナルドの方が正確なわけです。同じような例では、日本リーバの柔軟材白クマ・キャラの「ファーファ」。日本リーバのホームページによると、
 
 
 テディベアのキャラクターでおなじみの柔軟仕上剤「ファーファ」。タオルや肌着にも安心の、肌にやさしい成分配合で、心地よいふわふわな仕上がりが魅力です。親しみやすく、柔らかな語感の名前は、日本オリジナル。白いテディは同じでも、アメリカでは「スナグル」、台湾では「バウバウ」、ブラジルでは「フォフォ」と呼ばれています。日本では、1986年に発売されました。  
 
 
とのことで、アメリカ他海の向こうではもともと"Snuggle"って名前(商品名と同じ)なんです。しかし、台湾の「バウバウ」ってのは......
 
 さて、話を戻して、ロナルド・マクドナルド。CNNの記事にもあったように、キャラの知名度と広告による知名度向上が一致していない例の一つのような気もしますが、最近のニュース(オリコン、Yahoo!発信「女子高生にウケた日本マクドナルド新CM」)によると
 
 
 また、女子高生から高い支持を集めたのが日本マクドナルド「トマトマックグラン」の2篇。このところ「マックシェイク」などでコミカルなテイストを打ち出してきたマクドナルドが、ファッショナブルな手法でインパクトを与えることに成功した作品だ。(中略) マックグランの高級感を外国人モデルの洗練された雰囲気を通して表してもいるのだろうが、商品のイメージに合わせて、硬軟織り交ぜるアプローチは、店舗のバラエティ性も高め、何が待っているか分からないワクワク感をユーザーに与えるはず。ポッキー同様、こちらも見事と言えるだろう。(この調査は、10月28日~11月2日まで、女子高校生300人、男子高校生300人、計600人にインターネットで調査したもの)。
 
 
 ドナルドのキャラをモデル風に演じたCMを指しているんですが、日本では好感度が高いってことでしょうか?どちらかと言えば、個人的には、あのCMを除いた最近のマックCMは日米折衷の感覚の何だかウザいトーンが気になるんですがね。
 
 昔、深夜のランキング番組で、女子高校生他中心の聞き取り調査の結果、「一番おいしいハンバーガーといえば?→1位マクドナルド」となっているのを見て少し脱力しましたが、流行の音楽と一緒で、最も近くに手に届くようなものが結局「好き」ってなるんでしょうか。調査元がオリコンってのも何か象徴的です。でも確かにこうやって見るとおいしそう。
 
 
  「ハンバーガー大好き!」さん (マクドナルドのエントリー) 

 
 でも、人気があったとされるのはモデル化したドナルド君。つまり、元キャラとのギャップが受けたようでもあるので、好感度の高かったCMと大きく異なる元の方は、やっぱりちょっと人気者ではないのでしょう。上のオリコン記事をもう一回眺めてみますか。
 
 
 キャラクターを人間で表現していて本当にインパクトがあったし、おしゃれだと思うから」(神奈川県 16歳女性)
 
 「今までのCMとはちょっと違う感じで、オシャレでよかったから」(神奈川県 16歳女性)。
 
 
 
 どうやら、ドナルド氏は人間ではないらしいです。
 
 
 
 確かに、ネット上のドナルド人気というのは、あれだけ著名なキャラクターでありながら、何か可愛げのない不気味さがあるところに発しているようで、「ドナルド、怖い」ってところにポイントがある様子です。
 
 
 小鳥さん 「ドナルドの等身大フィギュア」
 
 KAIZUKA-DO FREE SOULさん 「最強キャラ」
 
 
 小鳥さんの付けた画像コメント ドナルド:「ふぅ、なんかいいことねえかなあ」 に当時大爆笑でしたが、「あれだけメジャーなキャラなのに何だよソレ」ってのが皆心に抱く感想なのでしょう。ちなみにイギリスのマクドナルドでは、どうやら新たに子供向け別キャラを投入したようです。
 
 
  Yum-Chums
 
 
 一応、with 愉快な仲間達といった感じで、ドナルド殿も健在ではあるようなんですが...... しかし、新キャラも微妙だぜ。
 
 
 
 ドナルドの怖さというのはイコール、ピエロの怖さでもあるわけだけど、先の「最強キャラ」にもある通り、人間であるようなのに何を考えているのか分らない不気味さ、外見と内面が明らかに異なりそうな二面性の部分にあるかと。ホラー映画のキャラが「13日の金曜日」「テキサス・チェインソー」等々、仮面を被っているように、表情から感情が読み取れないことというのが異常性とリンクして怖さにつながるのだと。能面メイクというのは仮面よりも更に人間もどき寄りに近くなるので不気味さも倍増というところでしょうか。
 
 そういったピエロの本質的な部分を扱った作品というのも、古くはオペラの名作「道化師」(愛憎劇の中、錯乱したピエロ役がナイフで2人を刺殺する)、S.キングのホラー「IT」(姿を変えて現れる得体の知れない化け物がよくピエロの姿で現れる)等あるし、「キラークラウン」とかいうB級ホラー映画もあった気が。
 
 加えて、実在の殺人鬼ジョン・ゲーシーが地域の慈善活動でよくピエロの格好をしていたというエピソードは、上の「IT」等のホラー映画にインスピレーションとして反映されているようです。確かに、少し前にベストセラーになった「FBI心理分析官」に載っている、ゲーシーが獄中から送った自筆のピエロの絵葉書というのはかなり不気味な印象。
 
 
 

FBI心理分析官―異常殺人者たちの素顔に迫る衝撃の手記
ロバート・K. レスラー トム シャットマン Robert K. Ressler Tom Shachtman 相原 真理子

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 Opus One -鯖ニュース- さんのエントリーで初めて知りましたが、「道化恐怖症(coulrophobia)」ってのがあるらしいですね。ウェブ上の辞書で調べると、道化師の語源は古くギリシアまでさかのぼれるようなので、恐怖症自体も古くからある話なんでしょうか。調べてみると面白そうです。
 
 
   X51.Org さん 「笑顔か、あるいは狂気か - 道化恐怖症とは」
 
 
 他には、あの黄色と赤と白の異様な色の組み合わせのインパクトも、ドナルドの不気味さに色を添えているのでは。元々、マクドナルドの企業カラーであるこの色の組み合わせ自体、「客に不快感を与えて回転率を上げようとする企み」とされていて、マクドナルドにまつわる都市伝説としては欧米で「ミミズバーガー」と並ぶくらい古典的なもののようです。
 
 
  Wikipedia "McDonald's urban legends"
 
 
 大抵、シェル石油等の例を挙げて、「目立つ色として採用する企業は少なくない」と反論されるのですが、感覚的に「普通じゃない色彩」という印象を与えているということになるんですね。
 
 次のように都市伝説のようで本当にあったらしい話もあったりして...
 
 
  Quad-City Times 2004.9.15
  "Camanche road sprouts Ronald McDonald dolls" 

  翻訳版: Tokyo Fuku-Blog さん
  「恐怖!! 深夜道路上に500体のドナルド人形が…」
  
 
 この不気味さもキャラの負の魅力あってですかね。
 
 
 
 個人的にも子供の頃TV CMに現れるドナルドを見て、「何だ、この気色の悪いのは?」と思ったわけですが、商品との関連性や好感度を与える愛らしさといったキャラ設定の背景が見えてこないのも、不気味さの理由の一つではないかと思うわけです。
 
 マクドナルドのサイト「ドナルド・ルーム」には子供用の絵本「ドナルドをさがして」というのがあって、正体不明のドナルドを追いかけるストーリーなんですが、主人公が毎回会った人に尋ねます。
 
 
  ねえねえ、ドナルドって、どんなヤツ?
 
 
 結局、ドナルドはスーパーマンのように万能でどんな人にいい影響を与えて去っていくというお話なんですが、扱い方に何となく得体の知れないキャラの感じが出ている気がします。個人的には以下のパートに苦笑しました。
 
 
 つぎに出会ったのは、小さな赤ちゃんを抱いたお母さん。

 「彼はきっと、笑顔の魔法使いね。彼の笑顔には不思議なパワーがあるの。いつもちっとも泣き止まないうちの子も一目見たとたんにたちまち笑顔。つられて私まで、ほらね・・・・・・・・・」 
 
 
 
 絶対、泣くって。負のパワーでしょ。
 
 
 無駄話はさておき、企業自体に結構紆余曲折な歴史を持っているマクドナルド、キャラ自体も面白い経歴を持っているんです。
 
 
  McDonald's, McDonaldland, and McDonaldization


 要は最初に販促用に演じていたローカルなピエロキャラが徐々に、ロナルド・マクドナルドというキャラに置き換わっていったんですよね。しかし、他のキャラ達の由来も面白いです。
 
 
 グリマス
 シェークを模した、元々悪玉キャラ。昔は手が8本。(証拠映像
 
  
 ビッグマック・ポリス
 世界で使用停止。「マクドナルド・ランド」には悪い奴はいないからとか、「警察官のイメージが悪い」とか。(関係サイト
 
 
 
 ということ。笑えるパロディながら、ここでのキャラの出身地は本当の出自とは関係ありません。

  
  機械手帳さん 「スティール・ボールラン 記者会見」
 
 

 ところで、最初の英語サイトに戻ると、実は面白いところに気付きます。
 
 
  A Brief History of Ronald and his Battle with Speedee the Clown by David Boje 2004
 
 
 そう、ドナルドが世界を支配する前には、別キャラがいたんですよね。その名も "Speedee"。カリフォルニアのマクドナルド兄弟の店がそのスピードで人気を博したことから、フランチャイズを持ち替けた創業者により全米へチェーンが広がって大成功、現在の礎となったというマクドナルド本体の歴史を思うと、意味深なキャラ名です。外見的には微妙なんですが。
 
 このキャラ、冒頭に紹介した "What A Caharcter" という本でも取り上げられていて、ハンバーガーに目のついた60年代の "McDonaldland Hamburger" というキャラと一緒に載っています。 "McDonaldland Hamburger" の方が何だかキャラっぽくて可愛いんですが。何となく、今は亡き Sheriff Big Mac の先祖ってな感じもします。
 
 上の記事"Brief History ~"にある通り、この大元祖キャラのスピーディーが Wal-mart と組んでのして来ているとか。その内、ドナルドの時代も終わってしまうかと思うとほんのわずかだけ寂しい気もしますね。
 
 ちなみに記事にはこんな情報も。
 
 
 Ronald is still being strategically re-fashioned. In 1998, McDonald’s ad agency, Leo Burnett, hired LA stylists to refashion Ronald’s hair and spent months studying whether to increase the width of the red stripes on his socks (Hume, 1998; Leung & Vranica, 2003).
 
 
 「ドナルドの靴下の縞の幅を変えるか数ヶ月検討」って、ほんとかよ?という気もしますが、そんなことより先にキャラ自体を変えてしまえということなのでしょうかね。

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2004.11.27

神のフィギュア

 大統領選が終わって、アメリカの保守的傾向が取りざたされる今日この頃、皆様いかがお過ごしでしょうか?bluegold です。iPod がらみのニュースがアチコチにあふれ、売れた分だけ人それぞれの使い方をしているようでありますが、こんな話がアメリカの情景を映し出しております。
 
 
 CNet Japan 2004.11.8:  「iPodで読むバイブルがひそかな人気に」
 
 
 何も小さな画面で電子聖書を読むことないのにねと思いますが、クリスチャン・ロックに耳を傾けてハイな状態で読むのでしょうか。
 
 アメリカにいた頃、今は亡き Tower Record に "Jesus Action Figure" というゼンマイでカタカタ動く人形が置いてあってちょっとツボに入ったのですが、こんな罰当たりなパロディCMもあるようで、ユーモアのセンスも忘れないアメリカであって欲しいところです。
 
 
  Jesus Christ Action Figure with walk-on-water action!
 
 
 ニューヨーカーにNYの老舗のレコードショップに連れて行ってもらった時、ケースの上に並ぶ首振り人形のレパートリーに感心したことがありましたが、キリストがあれば当然、というわけでふざけたラインアップ勢揃いです。
 
 
  Jesus Christ Superstore


 ジョークサイトが本物かよく分からないけれど、センスが結構笑えます。
 
 
  1. 当然のように仏教も

  2. ユダヤ教ではエホバとモーゼが大人気(売り切れ)

  3. イスラム教でアラーと言えば...
 
 
 おいおい、"He who may not be shown"のアラーいくらだよ?という突っ込みはさておき、別の販売サイトでも何だか突っ込みどころを見つけてしまいました。
 
 
  Wicked Cool Stuff .com


 Albino Bowler が ”Real People” かよっ!って実在するんでしょうか?このフィギュアはジーザス同様、店頭でもよく見かけましたが。
 
  
 こういったおもちゃを取り扱う専門店のサイトに行くと、結構面白いです。
  
 
  Archee McPhee  
 
 
 ラインナップはこんな感じ...

 
 Jesus Action Figure
 Shakespeare Action Figure
 Freud Action Figure
 Beethoven Action Figure
 Moses Action Figure
 Ben Franklin Action Figure
 Albert Einstein Action Figure
 Cleopatra Action Figure
 Edgar Allan Poe Action Figure
 Alexander the Great Action Figure
 Sherlock Holmes Action Figure
 Mozart Action Figure
 Oscar Wilde Action Figure
 Richard Wagner Action Figure
 Pope Innocent III Action Figure
 
 
 どういう基準で選んだ有名人なのかが興味深いですが、何だかもっとよく分からんキャラも混じってます。
 
 
 The Albino Bowler Action Figure
 Bigfoot Action Figure
 Crazy Cat Lady Action Figure
 Librarian Action Figure
 Barista Action Figure
 Male Nurse Action Figure
 
 
 さて、僕にはどういう奴に人気があるのかサッパリ分らないのですが、皆さんはいかがでしょう?
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 (答え)
 この店の売り上げ(それとも店側のセレクション?)によると、こんな感じのようです。
 
 
 1位 Librarian Action Figure
 4位 Einstein Action Figure
 7位 Shakespeare Action Figure
 10位 Jesus Action Figure
 11位 Freud Action Figure
 
 
 アインシュタイン、シェイクスピア、キリスト、フロイトを押さえたNo.1は
 
 「司書のオバサン 」
 
 市井のピープルズ・パワー強しといったところでしょうか。

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2004.11.26

クルマ! クルマ! クルマ!

 いつも楽しく読ませていただいている人気ブログ "Sotto Voce: Adventures in Blogging" で、少し前に Mustang のアメリカでの新TV CMの話が取り上げられていた。これがなかなかの逸品で感激したのでその話をば。
 
 
  New Ford Mustang & Steve McQueen
 
 
 CMの内容については本文を見ていただければよく分かるので上記参照なのだが、その後付いたコメントにより実際の映像が見られたリンクではどうやらムービーを撤去してしまった様子。フォードのサイトでも少し前には見られたようだけど今はダメ。少々もどかしい。
 
 "Sotto Voce" でも解説されているのだが、CMは映画「フィールド・オブ・ドリームス」のパロディで、そこに映画「ブリット」の映像を使って故人を登場させるといった内容。(「男性向きかな?」と仰られていますが、他に挙げられている「ナチュラル」「大脱走」も含めて僕も皆名作だと思います。)
 
 
 元ネタになっている映画の古さ、そしてマックイーンの起用(というのだろうな、やっぱ)を見ると、フォードはこの新マスタングを結構高目の年齢層の男性をターゲットにしているのだな、と思う。車自体のスタイリングも、初期のモデルっぽいものに戻している。(中略)セカンドカーとして買わせよう、という狙いであろうか(値段も2万ドル少々なので、スポーツカーとしては手頃)。それだけでビジネスになるかどうかは怪しいので、「お父さんたちを興奮させて」その息子達や部下の世代への波及効果を狙っているのだろうか?それともマーケットリサーチなどの結果編み出された「レトロ志向」の製品なのか?
 
 
 70年代の伝説であるマックイーンに熱狂的な想いを持つのは40代より上だろうか?自分なんかは親父にアクション&B級映画をTVで見せられながら育ったので、「ゲッタウェイ」や「ハンター」辺りも含めて馴染みが深いところだが、どう考えても20代以下にアピールするとも思えない。(ちなみに餓鬼の頃からペキンパーや007、「フレンチ・コネクション」「ダーティーハリー」といったラインアップを見ると、情操教育に多大な影響を及ぼして私のようになるらしい。)
 
 日本で言うとマックイーン→裕次郎ぐらいのイメージなんだろうか。一方で、「フィールド・オブ・ドリームス」も意外と昔の映画だから、ヒットするのは30代近辺のはず。
 
 ここら辺が同時に挙げられている参照記事(The Detroit News 2004.10.14)を眺めていても面白いところで、
 
 
 Mustang enthusiasts have been buzzing for days on Internet chat rooms about the high-concept commercial. Ford confirmed the accuracy of the storyline described on the Internet. Marketing experts say the Ford ad is pushing the right buttons because the McQueen legend and the Mustang evoke fond memories for movie-goers and car buffs alike.
 
 
 まずはネット周辺のオタク層にアピールして成功。CMの監督も以下のように言っている。
 
 
 "I hope for those who don't know the legacy, that this spot will inspire a new generation to visit McQueen's extraordinary body of work and (appreciate) his passion for automobiles," Street said in a statement.

 
ということで、話題性で若い層も引き付けるといった戦略もあるのだろうか。そうすると、意外とターゲットも拡散していく気がしないでもない。さらに、似たような他紙の記事 (USA Today 2004.10.15) を眺めてみると、
 
 
 Another aspect of Mustang marketing is likely to appeal to younger consumers: Both the Mustang and Ford GT supercar will be featured in Sony PlayStation 2's car game Gran Turismo 4.
 
 
とのことで、ゲーム世代にも狙いを付けるということは若年層もターゲットか。でも、先ほどの広告紹介サイトの放映スケジュールを見ると、別バージョンのCMに比べて、明らかに高年齢層ターゲット。
 
 
 Thursday Discovery    On The Inside       6-7pm
 Saturday Lifetime     What Should You Do?   10am-12n
 Saturday USA        Monk             10-11am
 Sunday  ABC        BCS Selection Show    5-6pm
 Tuesday  History      Hardcore History      11pm-12m
 Wednesday TBS       Gilligan's Island       10-11pm
 Wednesday TLC       Lifeworks          10-11pm
 Thursday TLC        On the Edge         10-11pm
 Saturday Comedy Central Comedy Central Movie  12n-4pm
 Sunday  ABC        Extreme Makeover     8-9pm
 Sunday  History      Non-Stop History      1-6pm

 
 
 ちなみに、カリフォルニア在住のNewellさんによると、「やる気があるのか? 新型ムスタング」
 
 
 なにしろ、以前のムスタングには、コブラというバージョンがあって、直線だけならコルベットにも噛み付いてくるクルマでしたから、一応、敵の性能くらいは知っておかないとね。が、しかし、スペックを見ていくうちに、はたしてフォードはムスタングを売る気があるのだろうか、という感じがしてきました。
 
 もともと、初期のムスタングというのは、性能はヘロヘロなんですが、スタイリッシュなボディデザインと安い価格、というのがコンセプトなわけで、新型ムスタングはボディデザインだけでなく、そういったコンセプトまでも初期型に回帰したのでしょうけど。

 
 
との辛口コメント。僕は車にあまり詳しくないけれど、マーケティングと商品の実態性能の差という奴で少々興味深い内容でありました。おまけに興味深かったのが、元の Detroit News の記事に戻ってこの部分。

 
 The commercial was shot in Chilliwack, British Columbia, located about 60 miles east of Vancouver. The site is popular with filmmakers because of its picturesque setting and the Canadian dollar's favorable exchange rate.
  
 
 ハリウッド映画の撮影はコストの安いカナダやニュージーランド等に移りまくりで、LAの街やスタジオも閑古鳥が鳴いているというのがここ最近のトレンドなわけだけど、このCMも同様。「古き良きアメリカ」の琴線を狙った内容もカナダで撮影されたと思うと何だか感慨深い。
 
 さてさて、最近日本に戻って来てテレビを見ていると、単価の高い車のCMは洋の東西を問わず大量に流れているわけだが、面白いのが一部のファミリーカー・軽自動車を除くと圧倒的に「車のCM→白人が主人公」という点。化粧品等で美人モデルを使用するというのは分るが、「車=高級品→外人」という図式が型として固まっているのだろうか。アジア系の美人を起用しても新鮮でいいんじゃないかと思ってしまうのだが。
 
 といこともあって、マックイーンのCMを眺めた後、日本の車でもオッと思わせるCMがあったっけ?と考え込んだ結果、意外と思い当たらないことに気付いた。記憶の底から唯一思い出したのが、「街の遊撃手」。年がばれるなぁ。サイトの下の方で当時のCMが見られるが、もっとはじけていたバージョンがあった気も(地下鉄の駅にもぐるとか)。当時も結構話題になっていたけれど、この映画へのオマージュということでも良かったと思う。
 
 
 

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 ちなみに、最近のハリウッド・リメーク版ではないです。ベネチア辺りの撮影で顰蹙を買って出禁になったリメーク版も未見なのでビデオ鑑賞したい気もするものの、アメリカいた頃のロードショーに客入ってなさそうだったしな~。オリジナルはゆる~いノリながら、これでもかと走り回る車のシーンが笑えていいです。
 
 他に思い当たる日本CMといえば、The Madness の出演していた、ホンダのシティーぐらいかな?(これまた古すぎ。)という感じで、音楽好きなこともあるのか、映像はほとんど思い出せず、音楽の方が耳に残っていることが多い。これは商品を売り込むCMとしては失敗のような気もするわけだが。
 
 というところで、日本の自動車メーカーのサイトへレッツ・ゴー!
 
 
   トヨタ
   
   ホンダ

   日産
 
   スバル
   
   マツダ
 
 
 しかし、トヨタは車好きや若い層に受けない面白みのない車作りで有名だが、CMの音楽使いもセンスが...最近のハリアーの広告でも The Doobie Brothers の名曲 Long Train Running を何で冴えないカバーバージョンで使うかな?といったところで、他の車種も注目すべき曲使いがなし。個人的に記憶に残っている曲使いで言えば、以下の感じかな。
 
 
 スバル インプレッサ 1997 Super Cat / My girl Josephine
 (ウィノナ・ライダーが落ちぶれる前に出演!)
 
 マツダ ファミリア 1991 フリッパーズ・ギター / Groove Tube
 (サディスティック・ミカバンドの奴も良かった)
 
 
 最近のV字回復でCMのセンスも復活した感のある日産の曲使いをサイトで眺めると面白い。車種ごとの曲選とか、経営低迷期&タイアップ時代とか(ここら辺)。
 
 
 上のサイト群に唯一無いメーカーが迷走中の三菱。ここだけ、サイトにヒストリー館がないのも意味深。三菱といえば日本でのリコール隠し等の不祥事だけでなく、同時期の北米市場での失敗(販売促進したのはいいが、査定の甘かったローンの焦げ付きが増えすぎて大ダメージを与えた)も経営にダメージを与えたことで有名。
 
 ところが、ちょうどその時期にCMへの独自の選曲センスで名を上げたというのも皮肉なところ。
 
 
 CNBC 2003.2.21:
 "Music business gets commercial - TV ads featuring artists' songs is new trick to sell more CDs"
 
 Media Daily News 2003.3.24: "Deutsch Rocks Again With Mitsubishi"
 
 
 広告にもお金を投じて戦略的には成功。その結果、Dirty Vegas の曲はビルボード上位に上る大ヒットとなったわけでs、三菱本体のサイトでも自慢げに紹介されている。
 
 
  海外の三菱 TV CM 使用曲一覧
 
 
 確かにヤングがハッスルする映像ともどもセンスは良かったが、ビジネス全体としての結果は失敗。とあるブログ(Brian's Culture Blog: "Is pop music bad for business?")でも書かれている通り、
 
 
 Mitsubishi has also decreased its advertising. For years it pitched the brand to young consumers with cheap financing and emotional eye-catching ads set to the music of Average White Band, Iggy Pop and Republica. That strategy created some of its trouble because it suffered a high default rate on the loans. Analysts say that Mitsubishi needs to write off about $1 billion in bad loans.

 Don't get me wrong, I love pop music. Some of my favourite tunes are pop tunes. I'm not prejudiced. But the suggestion here, that pop music will attract the wrong sort of customer, suggests that there might be other reasons for the predominance of particular sorts of music, commercial reasons, besides the mere likeability of the stuff. 
 
 
とのことで CM の出来と効果の不一致という点で見ると、新型ムスタング危うしということも言えるのかな。
 
 
 ちなみに、2年間のアメリカ滞在時に、向こうの車のTV CM でいかした選曲だなと感心したのは次の2曲。
 
 
  Saturn: The Walkmen / We've Been Had

  GM: Smash Mouth / Walkin' On The Sun
 
 
 
 
 【車CM使用の名曲集】
 
 Supercat は邦盤廃盤?...
 
 

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2004.11.24

雨が降ったら走るべきか

 ネット上では古いネタが周期的に脚光を浴びたりするわけだけど、これは一つに、世の中に面白いネタの数など限られていてゆっくり増えるだけだから、忘れられた頃になると注目に値するネタが繰り返し取り上げられるという点があると思う。そして、そのネタが本質的に普遍的な興味深い対象を含んでいるということも大きな理由だろう。
 
 ということで、
 
 
  知識の泉 Haru's トリビア さん 
  「雨の中は走った方が濡れないか?走っても同じか?」
 
 
 この他にも、
 
 
  TABASCO PEPPER さん
  「傘をささずに同じ距離を移動したならかぶる雨の量は同じ?」
  
  焚書官の日常 さん 「まして雨の中となるとなおさらだ」
 
  Ideal Break さん 「傘がないときは走ろう!」
 
 
 と、あちこちで取り上げられている。どうやら、Gooやはてなで質問が上がっていた様子。自分でも考えてみたのだけど、改めて眺めてみるとコメントや記事中に同じ回答が既にあったりする。とまぁ、納得できる答え自体があるようなのだが、あちこちで興味を引きつけるのは、科学的アプローチの本質的部分が問題の中に含まれているからではないのかな。
  
 僕も中学生の頃か、ブルーバックスの類の本の中で「走ろうが歩こうが濡れ方は変わらない」という解答を読んで納得いかなかった覚えがある。それが古典的な正解であって、通常の「雨が降ったら走って帰る」という行動感覚と矛盾していたので、パラドックスとして広まった問題な気がする。
 
 少し前にはこんな記述もあって、トンデモぶりが僕も好きではない番組「あるある大辞典」で実験をやって、「濡れる量は同じ」と結論付けているとか。(足場の悪い場所に水溜りをいっぱい作り、走る場合は避けずにバチャバチャやった結果で、衣服の含水量を計測する。)番組のページを見ても該当する回が見つからなかったのでこれが本当かどうかは分からないけれど、似非実験を「科学実験」とする、あんな番組ではさもありなんといった気がする。

 一方で、アメリカのDiscovery Channel でも、都市伝説等を検証する"Myth Busters"という番組で、入り組んだ通路中を歩いたり走り抜く実験を繰り返し、含水量を計測した様子。こちらも自分の眼では未見で、ホームページ上にも情報がないので何だが、少しはまともそう。ただし、実験結果がどうだったのか定かではないので、あまり役に立たない知識。
 
 以上を含めて、ほとんどの議論がコメントのやり取りで網羅されていて面白いのが、
 
 
  Acts of Volition "A Math/Physics Word Problem"
 
 
 数式も織り交ぜて侃々諤々の議論が繰り広げられている。(これも今年の10月のエントリーなので、世界的に流行しているんですかね。)
 
 科学というのは、1. 現実を単純化して重要な要素を抽出するモデリング → 2. 現実と一致しているかどうか検証する理論解析や実験 → ダメな場合は1へ戻って修正、というパターンが本質にある。今回の雨の問題でも、いかに前提条件をおくのか(1)、それが現実と一致しているのか(2)を考えるプロセスの面白みが、これだけ人の興味を引き付ける根底にあるんだろう。そこがオカルトと科学の違いでもあるんだけど。
 
 で、結論はどうなのか。最初に考えなければいけないのが、止まっている場合と走っている場合の差。上記の諸サイトの回答で何度か眼にするのが、
 
 
 「歩くスピードが無限小の、立ち止まった状態を考えれば、走る場合との差は明確。立ち止まっている方が濡れるだろう?」
  
 
との内容。この内容からも明らかなように、動くことによって雨は斜めに吹きつける場合と同じになる。
 
    answer02.jpg

 従って、止まっている場合は頭に降る雨を考えればよいのに対し、動いている場合は体の前面に吹き付ける雨を考えなければならない。すると、さらにいろんな問題が出てきて、前提条件の仮定がポイントになってくる。特に、最初に頭に浮かぶのが、
 
 
 「止まっている場合は頭のてっぺんしか濡れないのに、動いている場合は体の前面という広い部分も濡れるので、止まっている方が濡れない筈だ。」
 
 
との議論。つまり、「雨が降りつける表面積をどう仮定するのか?」という話につながるわけだ。残念ながら、今回の議論は歩くか走るかという議論なので、止まっている場合というのは例外的な状況になる。「歩いている状態の方が立ち止まっている状態に近いので濡れない筈だ」というのは一種の思考の罠で、速度ゼロの立ち止まった状態がその前の歩いている状態から連続的につながっていない状況下では成り立たない論理ということ。
 
 他にも面白い議論が出て来て、幾つかの考慮すべき条件に思い当たる。
 
 
「体を傾けるのはどうよ?」: 雨の振りつける方向に体を傾ければ、立ち止まっている状態と同じで、雨に対する表面積の増加を抑えられる。ただし、現実には雨の方向も完全な平行でないから、全く前面を濡らさないわけにはいかない(これは立ち止まっている場合も同様)。体の角度の調整も難しいから、ここでは、垂直に立っている状態を仮定する。
 
「濡れるって?」: 頭が濡れたら、重力で水がそこから垂れ出す。これで濡れる場所が広がるのでは?という質問も。これは上のTV番組の実験例のように、衣服が完全に水を吸収する素材と想定して、「濡れる量」=「衣服に含まれる水量」と仮定すれば問題ではなくなる。「一度雨水が当たったところに、また雨水が当たったら?」という質問も同様(これを2度目はカウントしないと仮定すると、もう少し難しい確率の問題に化ける)。
  
「傘さしゃいいじゃん!」: 「傘させばいいだろ」というオチの回答もあるようだけど、これも面白い要素を含んでいる。
 
  answer03.jpg

 傘の大きさが十分であるとすると、立ち止まった状態でさしている場合にはある程度の余裕があるが、斜めの雨に対しては守るべき表面積が増えるため余裕代が無くなる可能性が高い。動くスピードが上がると傘をさしかけるコントロールも狂いがちになるので、傘のガードを超えて雨が降りかけることが多くなるという論理付けはどうだろう。これは確率的な前提を置くことで吟味できそうだけど、ま、傘無しの仮定の方が問題の意図には則しているだろうから、この問題はパス。
 
「走ると泥水を跳ね上げるだろ?」: もしも同じように水溜りに足を突っ込むのであれば、走ろうが歩こうが濡れる量は変わらない筈。でも実際には「勢いよく突っ込んだ方が濡れる」というのは、ズボンの裾等、体の上部にかかった場合の方がインパクトが大きいところにある。つまり、靴底や靴の高さレベルに跳ね上がっても濡れたとカウントされないということ。となると、ある一定(例えば靴の高さとする)以上に水を跳ね上げた場合のみ濡れるとなるので、一定スピード(=一定の運動エネルギーを持つ場合)より下ならば路面の水が問題なく、以上ならば影響するという不連続関数の問題になる。単純化するためならば、「走る」「歩く」速度の両者が基準以下とするべきか。
  
 
 さて、以上の前提を踏まえて考えてみる。頭が混乱しがちなのは、主に2つのメカニズムを考えなければならない点にあるのかな。絵を書くと考えやすい。
 
 
   answer01.jpg
 
 
 体の前面に当たる雨は、霧のような状態、もしくは次のように考えればいい。あちこちに枝の突き出た森の中の小道を走リ抜ける。前方の道にある枝の数は同じなので、走ろうが歩こうがぶつかる数は同じ。つまり、通り抜ける体積、表面積が一定なので、移動距離に比例する。
 
 これだけを考えてしまうと、「走っても歩いても、同じ行程距離ならば変わらない」となってしまうが、実際は上面に当たる雨がある。こちらは、雨滴が頭(上面)の高さに降りかかる瞬間に頭が無い限り濡れることはない。つまり、一定面積に雨の落ちる確率によるため、走ろうが歩こうが濡れる量は一緒で、時間が長ければ濡れる量も増える。移動時間に比例するというわけ。
 
 ということで、常識的に考えれば与えられた問題は一定距離を走る場合と歩く場合の比較論と想定できるので、前面が濡れる確率は一緒、早く移動すればするほど移動時間が短くなるので、走る方が上面の濡れる量が少なくなるというロジック。つまり、走った方が濡れない。

 なお、パラメータを変えて濡れる量を計算するプログラムなんかも落ちてた。> DC Physics
 
 
 
 P.S. 勉強・仕事を通じて理系サイドの人間と思いつつ、理系人間を名乗るにはおこがましい気がするんですが、こんなエントリーもアップしたことですし、「自分はどちらかと言えば理系だと思う方」とのことなのでついでに宣言 ~ 理系BLOG宣言。ブログ内容は全然理系じゃないのは重々承知ですが...
 
 
 

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2004.11.20

鼻歌ブログ

 昔、酒に酔っ払ってエントリーを綴る「泥酔ブログ」というのが流行ったことがあります。では、こんなのはどうでしょうか?
 
 
 
 テロレリ~ロレロレレレロレ、レ~、レ~、レ~。テロリ~ロ、レロレレロレレ~。
 
 フフフフ~ンフンフフフフ、フ~フ~フ、フフフ、フ~フフ、フフフフンフフ~。
 
 
 
 <転調>


 テ、テ、テ~テ。テ、テ、テ~テ。テ、テ、テ~テテ。タ、タ、タ、タ、タ、タ。タ、タ、タ、タ、タ、タ、タラリラ~。
 
 ラララ、ララ~。ラララ、ラリ~。ララララララ、ラララララ。ラララ、ラリラ、ラリラララ~。ラリララリラ、ルルルルルル、ルルルル~。
 
 
 
 
 僕は超音痴なので、本当の歌声を聞いても何の曲だか分らないことでしょう。

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2004.11.19

ジョークを読み解く

 ブログを書き始めた昔、「世界一面白いジョーク」ほか、アメリカン・ジョークに関するエントリーをいくつか書いたんだけど、そこでもちょっとした訳のズレがあったりして面白かった。また、今回興味深いジョークがあったので、少し読み解いてみた。

 ネタサイドさんの紹介している2ちゃんのスレッド「【究極】神のコピペのガイドライン【至高】 part5」から「決闘」というジョーク。日本語で読むと、こんな感じ。
 
 
 国境をはさんで、仲の悪いアメリカ人とカナダ人が住んでいました。 ある日カナダ人が外に出てみると、自分のニワトリが、アメリカ人の家の庭で卵を産んでいます。

 そこへちょうど出てきたアメリカ人は、卵を持ち去ろうとしました。
 
 「待て!その卵はうちのニワトリが産んだんだからうちのものだ!」

 「フン!うちの庭で産んだんだから卵はうちのものだ!」
 
  らちがあかないので、カナダ人は提案しました。
 
 「俺の国ではこういうとき、決闘をする。股間をけり上げて、早く立ち直った方が勝ちという決闘だ」
 
 「いいだろう。それなら決着がつく。望むところだ!」
 
 「じゃあまず俺から行くぞ」
 
  カナダ人は一番重いブーツをはき、助走をつけてアメリカ人の股間を思いっきりけり上げます!
 
 「うっ…、うう…」
 
  くずれ落ちたアメリカ人はもだえ苦しみ、30分たってようやく起き上がりました。
 
  「う…。じゃあ今度は俺の番だ!行くぞ!!」
 
 するとカナダ人は、
 
 「俺の負けだ。卵は持って行け」


 マヌケなアメリカ人をずる賢いカナダ人がしてやったり、といったイソップの寓話的な展開が痛快で、ストーリー展開だけでも面白いうまさがある。でも、何か引っかかるモヤモヤした感じもあって、コメントでも「これは何かの例えですかね?」「分らないんですよ」とのやり取り。気になったので、原文を探してみた。
 
 以下、"Jokepage"というサイトから原文らしい内容。
 
 
 Joke of the week

 There was once an American and a Canadian who lived next door to each other. The Canadian owned a hen and each morning would look in his garden and pick up one of his hen's eggs for breakfast.

One day he looked into his garden and saw that the hen had laid an egg in the American's garden. He was about to go next door when he saw the American pick up the egg. The Canadian ran up to the American
and told him that the egg belonged to him because he owned the hen.

The American disagreed because the egg was laid on his property.

They argued for a while until finally the Canadian said,

 "In our family we normally solve disputes by the following actions: kick you in the balls and time how long it takes you to get back up, then you kick me in the balls and time how long it takes for me to get up, whomever gets up quicker wins the egg."

The American agreed to this and so the Canadian found his heaviest pair of boots and put them on, he took a few steps back, then ran toward the American and kicked as hard as he could in the balls. The American fell to the floor clutching his nuts howling in agony for 30 minutes. Eventually the American stood up and said,

 "Now it's my turn to kick you."

The Canadian said,

 "Keep the damn egg."


 で、英語で最後まで読むと、日本語では不覚にも気付かなかったところに目が。 "balls" とか "nuts" とか前段でも言ってるけれど、形から想像できるように "egg" にも「睾丸」の意味がある。あんまり使わない気もするけれど、辞書サイトでもこんな感じ、
 
 Words similar to egg: ball, ballock, bollock, egged, egging, eggless, eggy, gonad, nut, ovum, testicle, testis, bloke, chap, incite, roe, more...
 
 ということで、最後がダブル・ミーニングの駄洒落になっているわけですな。ここら辺は昔の「世界一面白いジョーク」のパターンと同じで、日本語訳者が翻訳しきれなかった部分。強いて訳せば、こんな感じかな?
 
 
  カナダ人はそこでこう言ったのさ、 「俺の負けさ。お前の卵を大事にな!」 
 

 アメ人は "ass" って言葉を出すだけでゲラゲラってなところがあるので、話の面白さの上にそうしたくだらない系のオチが載っているわけ。最後のフレーズも "damn" とのののしり言葉をあるので、大体それ系というのが分ったりもするから、日本語もちょっと汚い感じにしないとダメなんだろうってところ。でも、日本語の「卵」じゃ少々苦しいよなぁ...
 
 自分はスペイン語は全然話せないけれど、どうやらスペイン語でも「卵」=ソレということらしい。アルゼンチンのスラング講座より
 
 
 webear [weBe'ar] [vi] to surf the Web, especially for fun, in a relaxed manner, just checking it out. Humorous echo of the noun huevo ['weBo] 'egg', slang for 'testicle', which takes part in several derogatory expressions (see rascarse in the main dictionary).
 
 
 ということで、世界に目を向けてみると面白い。今回の「決闘」ネタ、登場人物を各国に置き換えたバージョンがネット界のアチコチに。
 
 
 Freelanzer.com → "Pakistanis"

 Caribbean Jokes → "Boots: A Trini and a Guyanese"

 FunMac Forums → "THE DAMNED EGG"
 
 
 オチの部分以外でどうも引っかかっていた部分が、「アメリカ人」vs「カナダ人」の構図。カナダは芸能等の文化、産業的な部分でもほぼアメリカと同化している現状があるので(ケベック州のようなフランス語圏は少し異質)、激しい対立感情というのがあまり無い筈。どちらかといえば、「アメリカ合衆国カナダ州」みたいな自虐的な声がカナダ人から聞こえてくるような感じ。
 
 というわけで、上の置き換え例を見た方が分りやすい。インド vs パキスタンとか、スコットランド vs イングランドとか。検索結果を見ると、スコットランド vs イングランドがオリジナルな感じがしますなぁ。

 でも2番目のには、「ガイアナってどこよ?」って思わず突っ込みを入れてしまった。ちなみに、もう一国がトリニダードドゴバ。歴史的な背景がチンプンカンプンなので何が何やら分らん。しかし、最初の出現が今年の夏の辺り(もしかしたらもっと早いのかも)のようだから、ネット時代の伝播力はすごい。ジョークの伝播について調べてみたら、ちょっとした小論文が書けそうですぜ、どう?
 
 以上の通り、隣国人どうしの反感が3番目のツボ。日本語の場合、「韓国人 vs 日本人」。いや最近だったら、「中国人 vs 日本人」に置き換えるべきかな。実際、そんなバージョンが出てきそうな気も少々。

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2004.11.17

ネタ系メモ帳

 人気のサイトで多いのがネタ系(ブログ)で、確かに「どこから見つけてきたんだ!」って面白い発見があるもんです。でも、だからといって自分でやる気にならないのは簡単、あの勢いでブログ続けるって大した努力の筈だから。おそらく長く続けるのは無理だと思うんですよね。
 
 後は、意外と同じネタが同時期にアチコチで出没するし、回り回って忘れられた頃に登場してまた話題に・・・ってことは見つけ出してくる能力よりも、紹介対象になるようなサイトを作り出す能力にかけた方がいいってことですかね。あんまり関係無さそうだけど。
 
 さて、先にも書いたんですが、そんな感じでアチコチで目にした面白サイトがブラウザのお気に入りにたまって何だか凄いので、まとめて覚え書がわりに蔵出し。
 

 1. Knight Rider への道 

 「ナイト・ライダーって何よ?」なんて言わんといてください。知能を持った喋るスーパーカー(でも安っぽい)。アメリカでは主演のハッセルホフ(他にドラマ「ベイウォッチ」等に出演)は未だにジョークのネタになるくらいなんですから。そこら辺、「特攻野郎Aチーム」(思わず買ったサントラCD持ってたりするぜ)のMr.T なみのキャラですぜ(でも安っぽい)。
 
 と、そのTVドラマ中の未来のスーパーカーを作ってしまおうというサイト。凄いのは2000年開始で未だ奮闘中な点。4年かけて完成率40%以下ってのが泣かせるけど、その愛の深さにただただ感動するばかり。ちなみに、本場のナイト2000の声は、吹き替え版のようにロボットっぽくなくて、普通のおっさん声でガッカリです。
 
 
 2. ボッス・フィギュア 
 
 こいつは個人的な興味対象。日本のとある美術館付きショップで見つけて狂喜乱舞のフィギュア。欧州製で高いから買うことはなかろうが、こんな感じ。 

     pict/Bosch

 ボッスってのはオランダ15世紀の画家で、グロ可愛げなモンスターを書き込んだ地獄絵が有名な人。時代を経て、ダリ等々のシュール・レアリストに影響を与えたことで余計に名を馳せたんだけど、確かハードロックの古典アルバムのジャケットにも使われていた筈。
 
 しかし、古典絵画の3Dフィギュアですぜ。モナリザとかもあるのかしらん。個人的には、エルンストのキャラとかもフィギュアにしていただきたい。


 3. ゴースト・タウン 
 
 これはシリアスにならざるを得ないサイト。故郷が近い女性が、その後のチェルノブイリを目指した紀行記。以前アチコチで話題を呼んだ内容だけど、技術の進歩の功罪について考えさせられます。これには真面目に思いを馳せたい。


 4. Angry Alien Productions 
 
 これもアチコチで目にした、可愛いキャラで最近の映画を超高速度紹介するクリップ集。残酷系映画を中心にとにかく笑えました。"TX Chainsaw Massacre"はオリジナル版の方でやっていただきたかったですが。
 
 
 5. Cool Signs 
 
 昔の Vow とか思い出させる、アメリカの変な看板集。お下劣な奴が多いけれど、個人的に好きなシュール系も。
 
 
 6. ジェダイの騎士占い 
 
 最後は巷にオーバーフロー気味の占い。でも、僕のような世代には何だか受けました。以下、結果。オビワンだってよ、イェイ!
 
 
 あなたのジェダイの騎士度が診断されました。

 あなたのジェダイの騎士度は【オビ=ワン・ケノービ】並です。

 あなたの持っているフォースは、アナキンやルーク、マスター・ヨーダには遥か及ばないようです。しかし、生まれ持った勤勉さが、あなたの武器。規律を守り、自分に厳しくあることで、必ずや強いジェダイとなれることでしょう。
 
 ただひとつ欠点は、すこし説教くさい点です。そのためアナキンにも煙たがれていましたが、若者は言葉だけでは説得できない、ということを覚えておきましょう。

 あなたにぴったりのジェダイアイテム: ライトセーバー

 ダークフォース度  82%
 青臭い度  33%
 説教度  100%
 パワーフォース度  59%


 何だか、すごく親父臭が漂うのが気になるんですが....

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境界線の美学

 昔から異常と正常の境めというのに興味があって、意外と境界線ってのは近くにあるものような気がするわけで。暗がりの部分っていうのは、すぐそこに地つながりにあるのではないかと。
 
 風野さんの読冊日記エントリー「ルイス・ウェインの猫」(画家の統合失調症の進行の様子が作品として残っていったケース)で感銘を受けたら、少し前に読んだ本を思い出した。
 
 
   岩井 寛 「境界線の美学」 造形社 (1977)
 
 
 残念ながら、造形社という本屋自体存在しないような感じもあるので(ネット上でヒットするのが、バイクいじり系の同名別会社)、もう廃刊かな。古書としては手に入るようだ。この本が、ムンクやルドン等々の独特な作風を持つ画家達と実際に診察した精神的な病の患者らの絵を並べて、異常と正常の境界線を探った本。図版が豊富で印象に残るものが多かったけれど、以下の絵が特にインパクト大。(p.200 「不安の表現」から)

 
     boundaries.jpg
 
 
 先の患者の不安と葛藤が知覚に投影されている様子を映し出した絵(本人の思う自分の姿)とのことだけど、人間のゴーストってものの存在について考えさせられる。「生の苦しみ」に皆どうやって対応していっているのかとか。
 
 
 
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iPodシャッフル機能の都市伝説

 結構な期間、ブログ書きを放っておいたので、ブラウザのお気に入りに、気になったリンク「書いてみようかのタネ」がたまっていてウザイことこの上ない。ということで、ゆっくり整理中。
 
 おかげで古い記事を眺めることが多いわけだけど、コイツも結構古いネタ。当時、アチコチで引用されて、皆がエッセーを書いていたっけ。
 
 
 Wired News (2004/4/16): 『iPod』のシャッフル再生で音楽の聴き方が変わる
 
 
 シャッフル演奏機能のおかげで、違うジャンルが連続する面白みについてまとめた記事で、ここら辺はApple のサイトでもさっそく売り文句に姿を変えている。
 
 
 シャッフル機能は、みんなのお気に入りの機能です。 次に演奏される曲が全く予想できないので、荘厳なクラシックのアリアのすぐ後に70年代のヘヴィロックが流れてくるなどの意外な展開に常に驚かされます。
 
 
 リスナーのジャンル分けの壁が高いアメリカの場合、日本以上にインパクトが高いんだろう。原則的にはCDプレーヤーのシャッフル機能の発展版なんだけどね。だから、当然そういったシャッフル機能にもっと先鋭的なアイデアを載せて人工知能DJにすれば面白いね、という話も出てくるわけで、
 
 
   TAROSITE.NET BLOG: iTunes・iPodのシャッフルセンス
 
 
 確かにいろんなアルゴリズムを考え出すと面白そう。しかし、それ以上に面白かったのが、上記の文で最初に出てくる「iPodってセンスがいいよなオイ」という部分。意外とブロガーは皆理性的なコメントを書いていたようで、今探してもそんなトーンのエントリーが見つからないのだけど、こんな感じ。
 
 
   iTunes、シャッフルの謎
 
 
 「夜通し犬が鳴いていた」(=犬が鳴くと眼が覚めて「うるさい」と思うので、ずっと鳴き続けていたという感覚になる)的な人間の認識の問題にも触れた上で、やっぱり選曲に偏りがあるようだと結論。これが昂じて、「俺様の iPod はあのバンドが好き」とか「バラード好き」とか言い出す輩も出て来たり(特にアメリカ人)。
 
 ちょっと実験してみようかと思ったわけだけど、途中で挫折した。
 
 ・以下の適当に選んだ関係無さそうな3曲をランダム演奏。
 
 1. Madonna / La Isla Bonita
 2. Four Seasons / Sherry
 3. Fishmans / Walking In The Rhythm

 (ちなみに、1曲目は言わずと知れた80年代のヒット曲、スペ語。2曲目、コーラス・グループの60年代の全米ヒット曲。3曲目、今は亡き日本のダブ、浮遊系、唯一無比バンド。)
 
 ・30回やって、結果は
 
   1→2→3 :  7%
   1→3→2 : 10%
   2→1→3 : 17%
   2→3→1 : 13%
   3→1→2 : 23%
   3→2→1 : 30%

 何だかこれだけ見ると、1曲目だけには特定の傾向もありそうだけど、トライ回数少ないし、選曲メカニズムが分らない以上、同じ長さの楽曲選んだりして条件合わせないとね(3曲目が7分近い長い曲)。クラシックやテクノ、ヒップホップを入れるべきだったし。やってる途中で既に飽きたので、誰かしっかりした実験をしてくれんかね。
  
 さて、面倒くさいので真相を求めて答えを探してみたわけだけど、やっぱり掲示板で「シャッフル・センスの神ぶり」が語られていますなぁ。で、真実といえばこの記事。
 
 
  The New York Times (2004/08/26) : When iPod is the DJ, watch out


 「私の iPod には一曲しか入っていないのに、最悪のタイミングでかけてくる」とか「俺の iPod は 50Cent 好き」とか、あるサイトの議論では
 
 
 I'm pretty sure iTunes is not sorting my songs randomly. It seems to learn. I'd say it's using some Bayesian logic and/or simple neural networks to vary probabilities of songs to be selected and adjust parameters of selection by the user's history of song skipping.
 
 
とか。つまり、確率論的なアルゴリズムで学習した上で曲をかけるとの意見。と、ここまでが笑い話的な本題へのフリ。Apple 社の人間にトドメを刺させる。
 
 
 When confronted with such elaborate theories, Stan Ng, Apple Computer's director of iPod product marketing, laughed. "The funny thing about it is that it really is random," he said. "When you turn on Shuffle Songs, it creates a randomized list of all the music on your iPod without repeating a song."

 
 この他、「ロジックは明かせないが、基本的に1世代目の iPod からシャッフル機能のしくみは変わっていない」とのことで、「完全にランダムだ」として、「iPod の選曲能力の神秘」という都市伝説にピリオドを打っている。
 
 そうしたらそうしたで、「奴らは真実を語っていない!」とかで、Apple の陰謀説など唱える人がいたら面白いんですがね。人間のDJ能力を退化させて業界を支配するとか。

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2004.11.16

プレゼンの極意

 タイトルに偽りあり。僕が極意を知っているわけではありません。OHP主流の学会発表→フリーランス→パワーポイント→パワーポイントで社内プレゼン→米学生プレゼンと経ても上達しないプレゼン能力にしびれを切らして、少し書いてみようと思っただけ。しかし、フリーランスって2001年まで存在していたんですなぁ、少し感激。
  
   Freelance 2001
 
 ~ Microsoft隆盛の前、一時期 Excel 以上の威力を誇った(桐なぞもありましたが)表計算ソフトに Lotus というのがあって、そいつのプレゼンソフト・ジャンルでの Power Point 対抗馬。技術・理数計算では Excel というのは昔から優れたソフトだったけれど、ワープロ(Word)等々、他の Microsoft Office 製品が微妙な時期だった頃は、まだ火花を散らしていたのかというところ。Fleelance は PowerPoint よりもテンプレートやクリップアートの種類が多くて華やかだった記憶が...
 
 
 さて、回顧路線に別れを告げて本題へ。出版された当初から気になっていた本を、最近、本屋で買おうかと思って立ち読みするのですが、

 
   マッキンゼー流図解の技術
 
 
微妙な感じでいつも買うのをストップ。結構売れているらしいんですがね。コンサルで有名な会社の極意という振れ込みで、実は結構基本的なグラフ等々絵図の使い方をコーチする内容であります。こんな時にこういう意図でこんな図を使うという中盤のケース集が有効そうなんだけど、後半には効果を演出するアート集みたいなのがあって、そこを見ると昔、ガリ版で行事のお知らせ等をするために小学校の先生が使っていたイラスト集なんかを連想してしまう感じ。
 
 大学時代、学会のような専門的な場でも「プレゼンのメインは図」と教わって、確かにナルホドと思っている中、特にビジネスの場では(悪い言い方をすると)見た目でだますというのは重要というのは真理なのですが.......それはあくまでも中味があった上なんだよなぁ。上の書籍ではグラフを使う比重が高いけれど、何が目的で何を見せるのかという基本技術の土台の上に、インパクトや強調をするビジュアル上のテクニックが乗っかる気がするので、前者の部分が無い内容には少し本末転倒な気もしてしまう感じ。
 
 そこら辺は企画、営業や技術といった業種で異なるんだろうけれど、ベースを身に付けた聴き手を相手にする場合、小手先のテクニックだけでは荷が重い気もするので、少し罪作りな本の気もするのが買い控えの一要因。(実際は懐ろの苦しさが一大要因なんですが。)
 
 そうした意味では興味深いのが次のサイト。
 
 
    BB-Wave.com プレゼンマン
 
 
 業界が違えば、こんな特殊な教えが成り立つのかなってところで。意外とまともなこともかいてあるものの、第2回の例なんかは眼を引くための広告ではアリでも、聴衆に説明するような場でのプレゼンではアウトな気が。自己満足の悪例な気がしますが、本当のところはどうなのか聴衆側に尋ねてみたいものです。しかし、上記サイト周辺にはその他プレゼン術系の記事がありますな(最もキワキワなものも含めて)。本屋で見る限りでも、ニーズは結構あるということでしょうかね。
 
 Microsoft 御大も以下のようにコーチング
 
 
    MS Online Office: 優れたプレゼンテーションを行うためのヒント
 
 
 ここら辺も含めて、一般的に教わる注意は以下の通りでしょうか。
 
 
 ・最大でも発表時間1分あたり1枚くらいがめやす

 ・会場の広さにもよるが、20より小さいフォントはさすがにキツイ

 ・黄色やピンク等々、見にくい色は使わない
 
 ・デザインに凝るあまり見にくくなるのはダメ、内容をいかに魅せるか
 
 ・メインは字よりも絵図、字はできるだけ少なく(体言止め、箇条書き等々利用)
 
 ・内容を明確にするタイトル、質問用のスライド番号を付ける
 
 
 グラフの書き方にも原則があるけれど、そこはケースバイケースなところもあって、しかも技術的な部分でもあるので、ここではパス。
 
 あとは、最近、パワーポイントでの発表しか知らない世代が増えて来て、若手の発表(特に技術系)で会社でも発表時に暗くなった部屋で原稿を読み上げるだけというパターンが多くなっている気がするけれど、これもツールの弊害かな。
 
 演説におけるプロンプターみたいな存在もあるから、メモ等を眺めること自体は悪くないとは思うけれど、文語と口語のスタイルの違いが分からないまま文章を作って読み上げると、違和感が出てしまうんだよなぁ。書き文章より聞き取りにくい漢語を減らしたり、形容表現が長く連なるような文章を短くぶった切っていく、という基本が頭にあれば問題無い気もいたしますが。アイ・コンタクトによるコミュニケーションという部分は除いて。
 
 おもしろく読ませていただいているブログ「Sotto Voce」にも、古~い記事にプレゼン関係の話がある。
 
 
   The Cognitive Style of Powerpoint
 
 
 ここでもパワーポイントのテンプレートの問題点について挙げられている。ただし、少々興味深いのが「ブレット・ポイント」の話。上に挙げた「箇条書きを利用しつつ表現は短く」に対して、「箇条書きでぶつ切りにされて、ロジックが見えない内容の羅列が大問題」と立場が異なる内容です。
 
 興味津々ながら、このエントリーで触れられている本を読んでいないので何とも言えないけれど、挙げられているスペースシャトルの事故の話はプレゼンよりも記録文書の話で、少々対象になるシチュエーションが違うような気もするところ。事故調査委員だったファインマンのエッセーで、このブレット・ポイントとXYZみたいな意味不明の略語が多用されたレンガみたいな書類の山にあきれる様子が面白おかしく書いてあって、技術屋としての心構えにも想いが飛ぶところでありますが。
 
 アメリカの大学で思ったのだけれど、イメージと違ってプレゼン資料に関しては、一般的に日本人の方がアメリカ人よりうまい気が。内容そっちのけでデザインに細心の注意を払うみたいな感じが無い訳ではないと思うのだけれども、アメリカの色使いなんかのセンスはからっきしダメなことが多かったような。(こればかりは、ラテン系の人がものすごい原色を使って資料を作ったりしていたので、各国の文化背景もあるかとは思いますが。)プレゼン自体の上手さは話し方やボディーランゲージのコミュニケーション能力に依存するところも大きいので、結局全体的に見れば明らかに日本優位ではないのですがね。
 
 アメリカではプレゼン資料に図が少なくて、文章を全部書き綴った字の羅列が多かったのもプレゼン資料の優劣に思いをはせた箇所。これについては先の「Sotto Voce」記事中の議論にもあって面白いです。
 
 
 要はパワーポイントで多用されるスタイル、特に「ブレットポイント」形式は表示できる情報が限定されているがゆえに、正しい情報を伝達するのでなく、表示できる字数に併せた記述をする、という謝った方向に書き手を誘導してしまう、ということである。
 
 
 履歴書や選挙立候補者の経歴以外の文章で決して主語を省かない文構造のはっきりした英語という言語のバックグラウンドがあって、「行間を読む」文化と省略・統治が多用される緩い文法がある日本語との違いも際立つ気が。個人的には、プレゼンとは語りの部分も大きいわけだから、重要なポイントをブロックとして資料側に示して、語りで矢印の部分をはっきりさせるという方が違和感がない気がします。
 
 と、ここまで書いても、別に自分のプレゼン技術・コミュニケーション技術というのは高くないわけなので、何だか気恥ずかしくなって来ました。経験上、語学力的に英語のプレゼンは本当にもどかしかったですね。その経験を踏まえると、プレゼンの極意は、
 
 繰り返し練習して(特に他人に聞いてもらって何度か意見を求める)、話の流れを頭に叩き込んだ上で話す
 
ということに尽きる気もします。日本語の場合は、流れをつないでいくポイント感覚が短くて済むけれど、英語の場合、使うべき単語・文句を短い間隔で覚え込む、という感じでありました。ここら辺が私の低い言語能力ゆえの限界だったけれど、プレゼン技術一般として示唆的な部分。

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CCCDの黄昏

 久しぶりに音楽ネタ。OTO-NETAさん経由。
 
  
ITmedia対談(2004/10/14) : 小寺信良・津田田大介 「CCCDはみんながやめたいと思っていた」
 
 
 音楽好きを代弁するような層を受けた意見で対談が進んでいて、なかなか共感できるところ。最近、ネットから離れていたこの半年ぐらいでも、小ちゃな記事で報道されているのを眼にしたように、
 

ITmedia記事(2004/09/17 ):エイベックス、CCCDの弾力運用を決定――SA-CD、DVD-Audioを推進
 
 
SMEホームページ: ネットワーク認証型コピーコントロールCD 「レーベルゲートCD」仕様の終了にあたり
 
AV Watch(2004/9/30): SME、CCCDの「レーベルゲートCD」を終了へ -11月17日より全タイトルを通常の音楽CDでリリース
 
 
と、まぁ喜ばしいことにCCCDの市場からの排除が進みつつあるという流れ。一番上のえーべっくすがどうしたというのはどうでもいい気がする(というか感情的に気にしたくない)ところだが、下段のソニーの話が報道された時は少しへぇと思った。お粗末なCCCDの対症療法的な次の技術とのイメージがあったから。
 
 最近、個人的によく聴いていた Asian Kung-Fu Generation のCDで追うと、
 
  1stアルバム=通常CD → 今年辺りのシングル=レーベルゲート → 上記プレス → 2ndアルバム=通常CD
 
と、よく分かる。
 
 上に挙げたSMEのプレスでは、
 
 
 導入前に比べますと、著作権保護に対する意識が高まり、違法行為に関しては一時の混乱期を脱したと認識できる状況を迎え、法的環境の整備も進んできました。このような状況を踏まえ「レーベルゲートCD」は一定の役割を果たしたとの認識のもと、その終了を決定しました。  
 

とのことだけど、SMEがレーベルゲートCDを導入したのは、2003/1/22。いろいろな投資を考えると、まず経営側の当初予想の範疇を大きく超える市場側の動きが誤算だったというところだろう。
 
 最初に挙げた対談で
 
 
 レコード会社的には、輸入権の問題