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2005.01.15

隣の受験生は何食う人ぞ

 巷で話していると「息子(or娘)が今年受験でねぇ...」とシーズン到来な今日この頃、受験なんて遥か昔の話で最早感慨も無いぜと思っていたけれど、よく考えてみたら数年前にアメリカの大学院受験でバタバタしてたんだよなぁ。と、日本の受験風景とアメリカの風景がリンクしないところもあり。
 
 さて、日本にいなかった間にこんな話が産まれて、定説に近いぐらい流通するようになっているんですな。
 
 
  キットカットで、きっと勝つ 受験生に大ブーム!キットカット
 
 
 ネスレが今年大々的に打つキャンペーンを見て知ったんだけど、売り上げも急増だそうで。他の会社も2匹目のドジョウを狙ったりしていて笑える。
 
 
  サンクス 受験生フェア
 
 
 ロッテも必死。「パス」はアリな商品名だけど、「幸運のコアラ」話のおかげか引っ張り出された「コアラのマーチ」、「寝てても落ちない!」って今さら努力を否定されても何かと思うわけですが。そもそも、「キットカット」も最後の「ト」の行方がどうなのよと気になる性分なもので、「カット」じゃ「足切り」につながんないの?と嫌なことを言ってみたり。
 
 
 さて、gooの「受験生の願掛けランキング」なるものによると(孫引き:club mik
 
 
 受験生ジンクス ランキング
 
 1位 手に5を書く
  (←5を書く=ゴヲカク=合格)
 
 2位 佐川急便のトラックの飛脚マークのお尻に触る
  (←昔の幸福になる噂の変形バージョンか)
 
 3位 右から
  (←鉛筆を取る時右からとか、同じ方向から全て動作するということの様子、
  こんな感じか
 
 4位 受験校の前で5回手を合わせる
  (←何だか社寺と同格化しているお話、神頼みってか)
 
 5位 試験前日にスパゲティを食べる 
  (←試験に「パス」た?)
 
 
 関連アイテム ランキング
 
 1位 キットカット
  (←既記の通り)
 
 2位 赤いパンツ
  (←めでたい紅白色ってことなのかな?)
 
 3位 5角鉛筆
  (←5角=ゴカク=ゴウカク)
 
 4位 タコのグッズ
  (←オクトパス=置くとパス)
 
 5位 スパイクのピン 
  (←「スパッと行く」ですか?こういう駄洒落、苦手です)
 
 
 
 やはり、キットカット強し。でも、何と他のはほぼ全て知らん。元サイトには「昔ながら?」なんてコメントもあるけれど、本当に知らんです。パスタなんて、カツが昔は縁起物って言われていたけれど、実は胃に負担がかかるから、消化のいい麺類に無理矢理移行したのかな?って気はするけどね。タコのグッズって「置くとパス」だけど、当日は変なもの机の上に置けないよな~。受験前までの机の上に置くのかいな?
 
 
 元々、"jinx"は「縁起の悪いことの言い伝え」ながら、日本語の「ジンクス」としては「縁起のよい迷信」も含んだ意味にシフトしていて、上の「ジンクス」が全てポジティブな方向の話というのも面白いところ。昔は「滑る」「落ちる」を受験生の前では言ってはならないといったネガティブな「ジンクス」の方がメジャーだったんじゃないかな。僕は知らなかったんだけど、「富士山が見えると試験に落ちる」というのもあるらしい。
 
 
  はてしない日記 さん 「カルシウム不足」
 
 
 コレ、一瞬「そもそも富士山って縁起物じゃないの?」って思ってしまうところがミソで、東京じゃなく、大阪や名古屋の言い伝え。つまり、「新幹線で上京」→「富士山脇を通り抜ける」→「この時期天気が悪いことも多いので、確率の低い方=不吉」となったって辺りか。今だと「飛行機で上京」ってパターンもありそうだから、少し前に発祥がありそう。新幹線を含めて、車窓からの眺めがベースにあるんだろう。
 
 しかし、ついでに見つけたこの1行エントリーが面白かった。
 
 
  AnotherDaysDiary さん 「ジンクス」
  
  試験の前に「がんばって」と云われたら試験に落ちる。
 
 
 ほぼ確実に言われる気がするんですが......
 
 
 さて、こうしたネガティブ・ジンクスに対してポジティブなものが目につくのは、時代の流れというのもあるかなと。先に挙げた「滑る」等の忌み言葉というのは、特に結婚式のスピーチ(切れる)あたりで有名かと思うけれど、最近昔ほどに厳しく言われなくなって来ている気もするし。記録が残っている量が少ない古代のイメージから、激しく移り変わる言葉や風習の流動性を忘れがちだけど、あまり合理的とも言えない風習はゆっくり廃れていくんですかね。
 
 一方で、禁忌というのは民間信仰と結びついて伝承されて来た息の長い部分もあって、御伽話の中の異種交配のタブー(「浦島太郎」「鶴の恩返し」等)とか、養蚕業者は卵を食べないとか。時代をさかのぼり、人間の生活のベースが低次のレベルにあった頃から最近まで、原始的かつ根源的な欲求である「性」や「食」に禁忌が集中しているというのも自明なところ。
 
 そういう意味では、「食」のジンクスであるキットカットも自明の流れなのかな。「受験」のような社会的制度が背景にある迷信が広く流布されるというのも時代の移り変わりを思わされるけれど、逆に昔から登用試験みたいのがあったってことは同じような迷信も存在していたのかとも思える。こんな感じに、現代にもつながっていく言葉の迷信があればちょっと面白い。
 
 脈々と続く禁忌ということで言えば、「デジタル、ネットワーク時代の禁忌」として「見てはいけない開かずのページ、30年に一回ご開帳されるご本尊ページもアイデアとして悪くない気がする。」と書かれる時点で、もう既に幾つもの「見てはならない呪いのサイト」が存在しているわけだから、人間の考えることなんて大して変わらないし、だからこそ、周期的にいろいろなジンクスが発生していくのだろう。
 
 
 さて、もう一点面白いのが、キットカットというお菓子にまつわる迷信であること。日本でコンビニの棚で覇権を争う飲料や菓子の業界は、激しい淘汰に晒される市場の上に成り立っているため、マーケティングもかなりの手際が必要。火が付き始めたジンクスに油を注いで売り上げにつなげる手際といえばアッパレではないですか。
 
 元来、クリスチャンの祝い日であって、風習も本来は異なるクリスマスやバレンタイン・デー。どちらも日本で派手に定着させるようにしたのは菓子業界の業績ですからねぇ。新たに受験シーズンに狙いを定めて、商売の種にしようという根性は大したもの。
 
 大枚をはたかなければならない入学祝いを控えて、手頃に買えるプレゼントの価格帯というのもいいんですかね。こうなるとダメージを受けるのは、絵馬や学業成就守を売る神社・寺?その内、今度は手を組んで、お菓子とお札のコラボ商品とかも出てきたりして。
 

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Tracked on 2005.01.16 at 23:17

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