2005.01.30

きかんしゃトーマスとなかまたち

 チーズを買いに近所の輸入食材屋まで出かけたら、バーバパパとか子供向けの海外キャラのお菓子が山積みに。チーズ選びで延々と悩み続けるかみさんを尻目に、暇だったもんで眺めてると「きかんしゃトーマスのなかま」キャラでやたらに「ハロルド」って奴が幅を利かせてます。
 
 
 ヘリコプター・・・? そんな奴いたか?・・・ ということで、ちょっと検索。
 
 
  きかんしゃトーマス@ホームページ博物館
 
 
 ここの「きかんしゃトーマスとなかまたち」という項目の写真入り紹介を眺めると、います、確かに。トーマスたちと「なかよし」だそうです。ここの「なかよし」って結構ポイントで、「トーマス」に登場する機関車その他達って、結構、陰険、自分勝手等々、協調性・社会性がない奴が多いんですよ。
 
 トーマスもかなり生意気な奴だし、他の機関車も態度がでかいでかい。貨車は機関車と仲が悪くて、足を引っ張ろうと虎視眈々だし。子供の頃絵本で読んで、何て嫌な奴らだと思ったけれど、今となっては社会の縮図を皮肉まじりに書いている英国らしいセンスも大人に受けたんだろうなと分かる気がします。子供は、そんなところよりもキャラ立ちしているところに惹かれるんだろうけれど。
 
 
  きかんしゃトーマスとなかまたち オフィシャル・サイト (ヒストリー)
 
 
 元々の絵本は、生まれが1945年と古いんですな。僕の世代はオリジナルの絵本で育った口だろうけれど、その後、映像化されて世界に人気が広がったということらしい。当時、平日の休みの朝に、ポンキッキーズで模型アニメーション見た時はオ~ッって思いましたよ。古典絵本がアニメ化されて人気が出て、登場キャラも増えるという辺りは、「アンパンまん」と同じパターンでしょうかね。ちなみにこいつが日本でも70年代から出版された、オリジナルの絵本。
 
 
  きしゃの絵本 
 
 
 ちなみにアメリカでも、トーマス大人気です。おもちゃコーナーのプラレールみたいな奴にガキ供張り付きまくりだし、友人宅のお子様も大好きでしたなぁ。
 
 
  きかんしゃトーマスのおもちゃ
 
 
 と、お話を再現した倒木出現の「あ!あぶない線路」なんてのもあるらしい。商魂たくましいですな。元々、この木製のトーマスおもちゃ、アメリカのLearning Curve社というところの製品。本社所在地、イリノイですか。アメリカではかなり広く流通しているおもちゃなんですよ。
 
 以下のホームページによると、Learning Curve社は1993年設立。だから、40年代~ イギリスで絵本のベストセラー → 70年代 日本でも絵本出版 → 80年代 アニメ化 → 1990~ 日本でもアニメ放映開始 → 1993~ アメリカでおもちゃ化ブレーク、ってところでしょうか。ちなみに、Learning Curve社は、その後M&AでR2C Corp.という会社になっているそう。
 
 
  Learning Curve | About Us
 
 
 おもちゃのみならず、自作で舞台の再現パノラマを作っている方も見つけました。すげ~。他にも、ネット上に鉄道模型の改造でトライ!な方がいる様子です。
 
 
  ソドー島 島めぐり
 
 
 さて、最後に最初のページに戻りますか。ヘリコプターどころか、アニメ化されたトーマスのなかまにはイカしたキャラ達がいっぱい出てくるんですなぁ。
 
 
  
  ディーゼル: 
  軽油を燃料にして走る機関車です。局長の事を「ふとっちょ」と呼びます。

  ディーゼル261:  
  よそから来たディーゼル機関車。自慢ばかり しているので嫌われています。

 
 個人的なツボに入った紹介文。いるよなぁ、「自慢ばかりで嫌われている」タイプ。自分も気を付けなきゃ。
 
  
  スマージャ: 乱暴で皆に迷惑ばかりかけていた機関車。
          わざと脱線ばかりしていたので、発電機にされてしまいました。
  バルストロード: 港で働く船。意地悪貨車達に沈められそうになりました。
  シリル: 霧が発生した時に、線路に起爆装置をしかけて危険を知らせます。
 
 
 え?辺りはテロリストで満載すか?
 
 
  スプラッター: 
  劇場版「魔法の線路」に登場。意地悪で暴れん坊のディーゼル10の子分。

 
 
 名前通りに、人を轢き殺しまくったりはしないようです。
 
 
  セレブリティ: 
  最新型の機関車で、160km/hで走ることができる。とても有名。

 
 
 最近のにほんのみんなに、本当の「セレブ」とは何かを説教していただきたいものです。
 
 
  ボルダー: 大きな岩です。
 
 
 何だそりゃ?

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2003.12.28

子供に読ませたい児童文学を五つ選べ

 自分がかなり本の虫だったおかげで、こんな人間になってしまったので、自分に子供ができたら、もうちっとアウトドアに育ってほしいものだと思っている。
 
 昔から読書感想文というのが嫌いなのだが、自分が子供の頃、そうしたコンクールで大賞をとった子供が新聞紙面上のインタビューで「私はTVゲームがこれぽっちも面白くない、本を読んでいれば十分」と言っているのを読んだことがある。子供ながらに「何て大人の要求を読み取るのが上手な嘘つきなんだ」と思ったのだが、いろんなジャンルへの扉を最初から自らの手で閉めてしまうのは馬鹿げたことだと思う。
 
 だからこそ、いろいろな媒体への知的好奇心を育てるというのが重要だとは思うのだが、一方で「どんなジャンルでも9割の作品は屑」という真理がある。歴史の浅いジャンルに良作はあっても、数でいえば古典の方が良質な作品の絶対数は多い、ということ。だから、逆に早い内に古典に触れるということはいいことだと思う。特に現代を生きる者にとって、遠い過去の言語やしきたりで表現されたものには取っ付きにくい部分が多かれ少なかれある。例えば、音楽におけるクラッシック、メディアにおける活字媒体。早い内に活字に慣れるということは、活字媒体という膨大な過去の遺産への道を開くことでもあるしね。
 
 とまぁ硬い話になってしまったが、要は「お父さん、面白い本を教えてよ」と言われて何を勧めるか。定番の本は触れる機会もあるだろうが、子供の頃に戻って印象に残っている児童文学を思い起こしてみようという企画。どうしても、ジャンル的にはファンタジーに思い入れがあるので、その周辺で。不健康な江戸川乱歩とか、子供向けの「マガーク探偵団」みたいなの、「大草原の小さな家」みたいなクラッシック等々もいいと思うけど、まぁあえて5つに絞ってみる。
 
 
1. 斎藤 惇夫 「冒険者たち」
 
 僕らの世代には「ガンバと愉快な仲間達」というアニメがおなじみだが、僕はあんまり好きでなく当時ほとんど見なかった。というのも、原作本を親父にプレゼントしてもらって偉く感動してしまったので、アニメの方がやっぱり見劣りしてしまったから。原作で見事に描かれている15人の登場人物達(今考えると「七人の侍」辺りが元ネタなのだろうか)の人数が削られている上、アニメ特有の軽い乗りに置き換えられているところがちょっと。接する順番が逆だったら、印象も違っていたんだろうと思うのだが。
 
 とにかく児童文学のわりに、主人公達の生死のドラマを扱っていてストーリーが軽くない。また、ペンで丁寧に描かれた挿絵も見事で、本として素晴らしい。この作家は他に「冒険者たち」の前日談にあたる「グリックの冒険」、後日談の「ガンバとかわうその冒険」を書いており、自分もリアルタイムで読んでいたのだが、その後の作品は世に出ていないようだ。他の2作とも名作だと思う。
 
 
2. C.S.ルイス 「ナルニア国物語(シリーズ)」
 
 大人向けの文庫本に関しては、古臭くなってしまった訳と読みづらい活字体で、できることならば避けたい岩波だが児童文庫に関しては充実しているのではないだろうか。「大草原の小さな家」とか「ドリトル先生」とか、しっかりした装丁の本は好感が持てた覚えがある。
 
 「不思議の国のアリス」のようなしっかりした大人の作家が書いた児童向けのシリーズで、7冊に渡る年代記は想像力豊かで良質なファンタジー。最終作「さいごの戦い」は少し意表を突くラストで、子供心に影を残した。古き良き英国系ファンタジーの伝統ですな。
 
 
3. M.エンデ 「はてしない物語」
 
 斎藤 惇夫同様、僕の世代でリアルタイムに出版が進んでいた作家として記憶に残る。「モモ」は大人を含めてブームになったしね。ただし、ドイツ人ならではの生真面目な説教臭さがあって、そこら辺が古き良きファンタジーの伝統をまとったこちらの作品の方で弱まっている気がしたので好きだった。
 
 かなり分厚い本でストーリーも練ってあり、本の装丁もかなり凝っている。読後感としては「風の谷のナウシカ」(映画の方)を観た後に近いだろうか。説教臭いところも含めて。映画「ネバーエンディング・ストーリー」の原作でもある。もともと盛り沢山の原作なので、映画の方はお子様向け(悪い意味で)の腑抜けた作品になっていた記憶がある。
 
 
4. ル=グウィン 「影との戦い」
 
 近年「指輪物語」のファンの辺りが同じく読んでいるような印象がある「ゲド戦記」シリーズ。僕は最初の3作しか読んでいないのだが、いつの間にか後編2作が出ていたのね、知らんかった。その他の作品を村上春樹なんぞが訳しているではないか。意外と新しい作家なんだ、というのは今回調べてみた結果の新鮮な驚き。しかも作者はアメリカ人でベイエリア生まれとは!
 
 2作目、3作目も悪くなかった印象があるのだが、この1作目「影との戦い」はものすごく子供心に響いた作品。自分の内面との戦いをモチーフにした作品で、大人ならばいろいろ深読みもできる気もするが、子供として読んでも魅力的なストーリーだと思う。3のエンデの物語の元ネタでもあるような気もする。
 
5. P.ファーマー 「夏の小鳥たち」
もしくは 天沢退二郎 「光車よ、まわれ!」

  
 今回読み返すことができないので、5冊のセレクションはかなりの記憶頼り。5冊目は反則の「2冊の内どちらか読み返していいと思った方」。1冊目は60年代のイギリスの作家のファンタジー。女性らしい繊細な感じがストーリーの語り口にも表れていて、ちょっと物悲しくもあるストーリー。空を飛べるようになるという宮崎アニメ作品にも通ずる幻想と少し物悲しいラストが印象的だったので記憶に残っていた。篠崎書林というメジャーじゃないところから同じ作家の他の作品が出ていたようだが、現在廃版のようでもある。
 
 2番目の作家は宮沢賢治や幻想文学の研究者としても著名らしい。何作か書いているので、どれが記憶に残っている作品か自信がないのだが、「オレンジ党、海へ」の方かもしれない。両方とも読んでいるはずではある。日本が舞台で、日本固有の湿気を含んだダークな感触のファンタジー。漫画の原作に合いそうな気がする。「エコエコアザラク」みたいな不気味な感じもあるのだが、独特の雰囲気とイメージが子供心に強い印象を残した作品。あんまり幼い子供には勧めない方がいいのだろうか。
 

 
 しかし今回あるサイトにはお世話になった。大幅な児童文学をカバーしているデータベース「児童文学の部屋」。5に挙げた2冊はタイトルうろ覚えだったので、こういうサイトがなければ書名も作者も分からなかったと思う。感謝!
 
 
 
【過去のコメント】

[ポピー] [2003/12/27 21:36] [ MyDoblog ]
blue&goldさんってやっぱり本好きだったんですね。。。コドモに何を読ませてあげたらいいかな、っていうことで参考になりました。(っていってもまだ1歳ですけどね)私はあまり本を読まない子供だったんだけど、この五つの中では「はてしない物語」が好きで(きっかけは映画の影響)何度も読みました。本っていうのは読み終わった後の満足感で決まるんでしょうかね。

[blue&gold02] [2003/12/28 00:45] [ MyDoblog ]
いやぁ、参考になるセレクトだか自信ないです。
ただ、個人的には読書感想文の課題図書「低学年の部」とか「文部省推薦」とか、ああいうのって嫌いですね。一見難しいかなって思っても、子供の方が面白いもの分かってる気がします。って、子供がいたらまた意見も変わってくるのかな...
「はてしない物語」いいですよね。エンデの本は説教臭いけど、読後感がなかなか。

[MediHen] [2003/12/28 22:56] [ MyDoblog ]
1、2はウチでも小学生の娘にすすめたら、おもしろかったみたいです。ナルニアは、私も読み返し始めたら、一晩はまってしまいました。
3、4は中学生くらいにならないと難しいんじゃないかと思って、もう少し先に読ませようtご思っています。
5は知りませんでした。参考になります。

[blue&gold02] [2004/01/05 12:50] [ MyDoblog ]
古典はやっぱり下の世代にも読み継がれてるんですね。(それとも親御さんによるのかな。)
自分も何十年ぶりに読み返したくなってきました。

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2003.12.08

傑作短編小説を五つ選べ

 ある時、聞いた話。「空港とかの待ち時間を持て余したら、~な映画ベスト5を考える。それで、あ~でもないこ~でもないと時間はあっという間に過ぎるもんさ」。ちなみに彼は映画好きだった。音楽に関して言えば、"Desert Island Disc"という定番質問があって、人のセンスを覗き見できるので結構好きだ。(「無人島に10枚アルバムを持っていくとしたら?という質問。そもそも無人島にプレイヤーがあるとは思えないのだが。)
 
 そこで、上のお題を考えた。なぜ短編かといえば、長編小説を勧めても、本嫌いの人は読まないだろうから。でも、短編ならば誰でも読むことは可能だから。後は、短編小説を書くには、無駄をそぎ落としつつ無比の個性を見せつける才能が必要。ある意味ごまかしの利かないジャンルであろうから。アメリカに来ているので、本屋・図書館に行って考えるっていうのができず、ちょっと辛いのだが以下のリストを作成してみた。他にも、いい作品があったかと思うのだが、思い出せないのがもどかしい。


 カフカ/家長の不安
 
 どこぞの日本の作家がタイトルにカフカの名前を使っているが、現代の作家ならば多少の影響を受けていることだろう。その日本の作家が影響を受けているとも思えないが。長編「城」「アメリカ」「審判」に関しては、本人の遺志に反して草稿から再構成された作品だから、彼は純粋な短編小説作家と言えるかもしれない。スプラッターな「流刑地にて」、次の「砂男」を思わせる「判決」、寓話的な「掟の門」もお勧め。挙げた作品は2~3ページであっという間に終わる、奇妙な生物の奇妙な話。笑えるので、誰かにこの生物「オドラデグ」の絵を描いてもらいたい。
 
 
 ホフマン/砂男
 
 オペラにもなっており、人形に恋する男という話は映画「マネキン」の例を見るまでもなく、新旧を問わずに人の頭をよぎるストーリーのようだ。しかし、この短編が秀逸なのは、不安を掻き起こす不気味な存在。西洋で、子供を寝かすために語られた存在「砂男」が姿を変えながら、周りに現れて主人公を狂気に陥れる。昔はホフマン短編集というのがあったが、今では「砂男」のみに、フロイトが書いた論文を加えた1冊のみしか出回っていないようだ。

 コルタサル/悪魔のよだれ
 
 一時期、ラテンアメリカ文学に入れあげたことがあったが、中でもこのアルゼンチンの作家はすごいと思った。とにかく、短い中で幻想的な世界を完成させる力量は大したものでうならされることしきり。映画「欲望」の原案にもなったとのこと。
 
 
 クライブ・バーカー/夢の中
 
 純文学が続いたので、通俗的な小説を入れてみようか。個人的には、純文学等との境目無く優れた短編だと思う。映画「キャンディマン」「ヘルレイザー」等の原作者によるスプラッター・ホラーの名作「血の本」シリーズの1作と言うと、読むのをためらう人も多いと思う。しかし、この作品だけでも読んで欲しい気がするのも確か。刑務所の同室者によって死者の街に呼び込まれる主人公の話で、諦観ただよう感じが秀逸。この作品にはどぎつい描写もほぼ無かったと思う。
 

 中島敦/弟子
 
 並べ立てると、いかにも幻想小説に偏ったチョイスだが、日本の作家をあと一人入れるとしたら中島敦だろうか。もう少し読み返して、10選ぐらいに仕切りなおせたらよいのだが。教科書に載った「山月記」も名作だが、中国の有名な物語をベースに、無駄が無い研ぎ澄まされた文章で描きあげる力量はどの小説でもすごいと思う。どれか一つを選ぶのは難しい。
 
 
 以上、昔読んだときに感動した作品を思いつくままに並べてみた。他の人のチョイスも聞いてみたいものだ。


【過去のコメント】

[keigo] [2003/12/07 17:48] [URL]
中島敦の弟子はいい話ですね。山月記も大人になってから読み直したらその深さに感動しました。

[blue&gold02] [2003/12/08 00:28] [ MyDoblog ]
書き込みどうもありがとうございます。中島敦は若死にが惜しまれる作家ですよね。「山月記」は確かに大人の方が共感できるかも。いろいろ自分の人生とリンクしてきますよ、秀才でも天才でもないけれど。

[十文字みかげ] [2003/12/08 01:30] [ MyDoblog ]
芥川の『鼻』っていう作品が好きなんですけどね。
“禅智内供の鼻”っていう。ちょっと説教くさいんですけど。
あと、谷崎潤一郎の…なんて言ったっけなぁ。
子供たちが自分たちの間だけで通じる地域通貨みたいなのをつくっちゃうんです。
村上龍の『希望の国のエクソダス』っていうのにモチーフが似てるんですが。

[blue&gold02] [2003/12/08 05:48] [ MyDoblog ]
芥川ですか。何か1作、短編でグッとくるのがあったんだけど、今思い出せないです。「トロッコ」だったかな。「鼻」は人間の業がよく出てますよね。若い頃読んで、「いくらなんでも人に鼻を踏んづけられるのはな~」と思った記憶が...
谷崎潤一郎の、僕は未読ですね。「春琴抄」はおもしろいと思ったけれど、「少将滋幹の母」のスカトロに引いて以来、どうもあまり読んでいないもので。

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