2005.03.05

クイズ: 全国区でないのは誰だ?

 仕事の方が何だか忙しいようで実は中味が無いけれど時間だけ取られるような状態で、それを忙しいと言っていいんだか悪いんだか。どちらにせよ、1ヶ月近くネットにアクセスこともままならないような状態でありました。さて、...

 少し前に関西へ出かける機会があったんだけど、昔に比べると地方の街の情景ってのも、全国で均質化するようになったんだなぁと思うことしきり。繁華街の眺めには、似たような全国チェーン店の面構え、看板。名古屋の飲食店が次々に東京進出とか、セブンイレブンが土地ごとの嗜好を生かした差別化商品の開発を進めるとかの話はあっても、総体的には駅を降り立った時に感じる異国感ってのは希薄になって行っているのは確かなのかな。
 
 TVの全国ネット網整備で、街角で耳にする方言度合いが弱まって行ったというのも一つにあるのかもしれないです。昔は、チャンネル数が極度に少ないとか、静止画バリバリのローカルCMとかが、極端な落差としてあったんで、結構「旅して来たなぁ」という感動もあって楽しかった覚えがあります。
 
 全国的なフランチャイズ、系列店展開というビジネス戦略の基本はアメリカで始まったのかと思いますが、アメリカの場合、広大な国土があるから、意外と全国区クラスのチェーンでも触手を伸ばしきれていない地方があったりします。例えば、猛威を奮うウォールマートなんかは、僕の住んでいたベイエリア界隈にはまだ進出できておらず。日本でいえば大阪、名古屋級の潜在的顧客を抱えるエリアだから面白いんだけど、スーパー、ファーストフード・ファミレスの類は特にローカルに幅を利かすチェーンがあったりするようです。
 
 アメリカの場合、マーケットを考えれば、それでも相当な規模になるけれど、日本の場合は結局全国を出店でカバーしきらないと、なかなか厳しいところもあるんでしょう。マーケットが限られているので。
 
 
 
 と、そんな話を受けて調べてみました。ちょっとしたクイズです。以下のチェーンで、出店していない都道府県が残っていないのはドレでしょう(2005.3.4現在、各社のHP記載内容より)。簡単すぎると思う人は、出店が無い県を当ててみると面白いかもしれないです。 
 
 
 
 
 Q.1 ユニクロ (廉価衣料の勇、家計の友)
 
 Q.2 つぼ八 (居酒屋、親父の憩い空間)
 
 Q.3 白木屋 (飲み屋と言えば、こっちはどうだ?)
 
 Q.4 スターバックス (お洒落に、カフェ)
 
 Q.5 ドトール (こっちの微妙なコーヒー・ショップは?)
 
 Q.6 ダイソー (\100ショップと言えば...価格破壊の嵐)
 
 Q.7 セブンイレブン (コンビニ、もはやゼロゼロの24H経営)
 
 Q.8 ローソン (じゃこっちのコンビニは?)
 
 Q.9 ガスト (ファミレス、廉価版)
 
 Q.10 モスバーガー (ファーストフード、黄色い奴への好敵手)
 
 Q.11 ドムドム (かなり微妙なバーガーチェーン)
 
 Q.12 牛角 (焼肉兼居酒屋、安いけど混み混み)
 
 Q.13 松屋 (牛丼屋、オレンジ色に対する対抗馬)
 
 Q.14 小僧寿し (テイクアウト寿司、何だか懐かしい)
  
 Q.15 王将 (中華「餃子の~」、床がぬめってます)
 
 Q.16 ミスタードーナッツ (ドーナツ屋、女性大好き?)
 
 Q.17 マツモトキヨシ (薬屋、千葉が誇る全国区?)
 
 Q.18 ダイエー (今話題のスーパー)
 
 Q.19 ジャスコ (ヨーカドーがてんでダメなのでこっちのスーパーは?)
 
 Q.20 チケットぴあ (ちょっと特殊なジャンルで、チケット販売)
 
 Q.21 ニトリ (最近出店ラッシュ?北海道が誇る家具屋)
 
 
 
 
      【正解は下の方】

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 【正解】

 Q.1 ユニクロ: ○ 
 (最初は簡単に。昔は西日本ローカルでしたよね。)
 
 Q.2 つぼ八: × 
 (西に弱いです。島根、香川、高知、佐賀、長崎が未出店。)
 
 Q.3 白木屋: × 
 (魚民、笑々を加えたグループでは全国制覇。でも、白木屋オンリーだと、山梨、石川、富山、沖縄が×。)
 
 Q.4 スタバ: × 
 (東京じゃ一駅周辺に3店舗とかザラだけどね。島根、鳥取、高知、徳島、宮崎が×。)
 
 Q.5 ドトール: × 
 (意外と青森だけで13店とか出店しているんですが。島根、徳島、宮崎が×。)
 
 Q.6 ダイソー: ○ 
 (HPには市町村レベルで載ってます。店舗坪数も見れるので面白いです。)
 
 Q.7 セブンイレブン: × 
 (意外と有名ですかね。石川、富山、岐阜、三重、島根、鳥取、四国全県、佐賀、鹿児島、沖縄が×。)
 
 Q.8 ローソン: ○ 
 (こちらも市町村レベルで出店が見られます>HP。)
 
 Q.9 ガスト: ○ 
 (元々のすかいらーくの比では無い出店数です。)
 
 Q.10 モス: ○ 
 (マックは言わずもがななので、こっちを出題してみました。昔は少なかったよなー。ここまで成長しましたか。)
 
 Q.11 ドムドム: × 
 (×は×なんだけど、ちょっと嘘だろって感じの出店率。レアだけど。新潟、富山、岐阜、山口、香川、佐賀、大分が×。群馬、山梨、徳島はつぶれたのかな?)
 
 Q.12 牛角: ○ 
 (ばっちり全国区。急成長株ですかね。店員の教育も厳しそう。)
 
 Q.13 松屋: × 
 (吉野家は全国区だけど、こちらは青森、鳥取、島根、四国全県、長崎、大分、宮崎、鹿児島、沖縄が×。)
 
 Q.14 小僧寿し: × 
 (惜しい!沖縄が×。)
 
 Q.15 王将: × 
 (こいつはサービス問題。でも、意外と出店してます。北海道、東北に栃木、山梨、長野、新潟、富山、島根、高知、長崎、大分、佐賀、宮崎、鹿児島、沖縄が×。)
 
 Q.16 ミスド: ○ 
 (不祥事に負けず盛り返してるんでしょうか。昔からあるので、全国展開済みってことなのかな。)
 
 Q.17 マツキヨ: ×
 (銀座まで進出と猛威を奮うものの、山形、山梨、石川、富山、福井、滋賀、和歌山、山口、鳥取、島根、四国、福岡を除く九州、沖縄で×。富山はダメっすか...) 
 
 Q.18 ダイエー: × 
 (さらに店舗は減ることでしょう。現時点で、秋田、富山、福井、岐阜、三重、島根、佐賀が×。)
 
 Q.19 ジャスコ: × 
 (意外なところも出店、健闘。現時点で、福井、香川、鹿児島が×。)
 
 Q.20 ぴあ: × 
 (これからネットにシフトしてくんだろうなぁ。現時点で、香川、宮崎が×。)
 
 Q.21 ニトリ: × 
 (意外に頑張ってます。岩手、長野、和歌山、中国、高知、徳島、長崎、大分、佐賀、宮崎、鹿児島が×。今後、物流拠点を作って中国地方にも進出ってところでしょうか。)
 
 
  
  
 
 正解数に5がけで、105点満点。5点は先生のおまけだぞ...... 
 
 90点以上の場合、あなたの知識が全国区ということでどうぞ。

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2005.02.02

モノ拾遺: iPodの裏側、世も末の学生服、レア携帯

 新聞・雑誌・ネットその他で拾ったモノにまつわるヘェ~な話を三つほど。
 
 
1. 新潟発 iPod 行き
 
 今じゃAppleの本拠地シリコンバレー界隈よりも、日本の通勤電車の方が iPod目撃率が高いのはも確実か。若手は当然、結構オジさんまで使っているし。そのiPod、お手元にあるならば裏返してみると分かる通り、裏側はピカピカの鏡面処理をしたステンレス・ボディ。実はこの部分を作っているのが以下の新潟のメーカーだったりするそうだ。
 
 
  東陽理化学株式会社/研究所
 
 
 ステンレス食器の加工から始まり、魔法瓶メーカー、そして金属の表面処理等で世界へ。上記のホームページには記載が無いけれど、2001年の「パワーブック G4」へのチタン・ボディ提供で技術力を信頼されて、iPod等、Apple製品への部品提供が続いているとのこと。ネット上では、そのG4の時の短い記事だけ発見。
 
 
  MacNN News (2003.6.9) "Compal Electronics to produce 17 PowerBook"
 
 
 社名の綴りが「東陽リカグク」になっているのがご愛嬌なり。
 
 
 
2. 過剰防衛と笑ってられない現実が...
 
 少し前の話だけど、これも余り聞きなれないメーカーのお話。学生服メーカーではトップシェア企業らしい小郷産業株式会社が売り出すという小学生用制服「プレセーブ」はこんな感じ。
 
 
 GPS内蔵
 「装着場所は複数から選択することができ、相手に専用端末の装着位置を特定させません。」
 
 防弾素材
 「防弾チョッキなどに使用されているスーパーアラミド繊維を採用。衣服内の効果的な場所に素材を配置。子供たちの危険を最小限度に防ぎます。」
 
 お洒落
 「さまざまな機能がありながら、ブランドブレザースーツと遜色のないスタイルを実現。」
 
 
 
 この他、ガラスビーズを付着させて、夜間の光反射機能実現等々。007の子供服かと思う高性能ぶり...... しかし、商売ネタを見つけるところも凄いけれど、ここまでしなければならなくなった世の中も悲しいものです。
 
 以上、セコム ニュースリリース (2005.1.19)より。
 
 
 
3. レア携帯図鑑
 
 一つ売れると皆折りたたみ式みたいな、携帯デザインがどうもなぁと思っていたのは一昔。だんだん個性的な端末が増えてきたのはいいことかと。かと言って、絶対に高い金は払わん自分がいるわけですが。ちなみにアメリカは、僕が渡米していた頃がどんどん急激に携帯の高機能化が進み始めた時期で、当初デザインも当然お寒い感じでした。
 
 最近、世界で急激にブランドイメージを上げているサムソンの躍進の一つの要因が、北米における折りたたみ式の携帯端末のデザインで当てたことにあるという話があります。丸みを帯びた折りたたみ式......と正直言って、冴え渡るデザインという感じは全くしないんですが、アメリカの若者を中心に嗜好を研究しつくした上でのデザインらしいです。サンフランシスコにも、アンテナを兼ねたデザイン部隊がいるようですね。
 
 
 Samsung Wireless Phones for Everyone
 
 
 一方、話は移って日本。去年はデザイン性で話題だった talby も売れた様子(携帯Watch 「読者が選ぶ携帯 of the Year 2004」)。あんまり関係ないけれど、ついでにちょっと古いネタで、2年ほど前に出た世界最高値の携帯の話を思い出してしまいました。
 
 
  Vertu - Luxury Mobile Communications
 
 
 Nokia の1部門による高額携帯で、どこでも電話すれば24時間対応してくれる私設コンシェルジュ付きという、携帯端末が凄いんだか、サービスが凄いんだか、よく分からん携帯。キータッチの感覚とかはさすがに凄くいいらしんですが、お値段6000ユーロってことは日本円で80万円弱......日本に販売店・オフィスが無いのは、日本の閉鎖的な携帯規格のせいなんだろうけれど、さすがオイルマネーということで欧米以外では唯一中東で販売しているようです。
 
 
  読めんが、こんな感じの商品紹介サイト
 
 
 世界のあちこちから携帯が集まっているのか、このサイトには松下製のこんな奴まであって面白いです。面白いと言えば、「レア携帯」を集めた以下の記事もちょっと面白いですね。ポルシェの販促用携帯とか、宝石商の作ったダイヤモンドぎらぎら携帯とか。
 
 
  mobile review "All about luxuries and exclusive mobile phones."
 
 
 2年半前の記事なんで、今じゃ世界ではもっと面白い奴も出回っていることでしょう。記事にもあるけれど、クールな端末に入れ込み過ぎたおかげで、壊れて使えなくなっても持ち歩いて公衆電話で電話する人々とか、ガジェットへの思い入れというのは万国共通ですか。後は、財力の違いだけということで。

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2005.01.30

久多良木(社長)発言とその裏にあるもの

 少し前からネット上で、SCE(ソニー・コンピューター・エンターテインメント)の久良多木(久夛良木)社長が、PSPの不具合への質問に対して答えた内容の記事が祭りになっていた様子。この展開ってビジネス研究での数々の過去の典型的失敗パターン的なのが少し興味深かったので、紐解いてみる。
 
 まずは元ソースに当たるのが原則なので、ちょっと見てみよう。ネット上では、忍之閻魔帳さん 『素人がごちゃごちゃぬかすな」by 久多良木』が始まりらしい(言及記事集)。ただし、大元は日経ビジネス 2005.1.24号の記事(「それがPSPの仕様だ」 久多良木SCE社長、ゲーム不具合騒動を一蹴)。頭の方の1P記事で、実は買っていたけれど読み飛ばしてましたよ。
 
 短い記事なので、間の騒動についての解説記述を除くと、社長の発言の引用は2箇所だけ。以下の通り。
 
 
 (質問文の掲載はなし)
  
 「これが、私が考えたデザインだ。使い勝手についていろいろ言う人もいるかもしれない。それは対応するゲームを作る会社や購入者が、この仕様に合わせてもらうしかない。」
 
 
 (問題が指摘されるボタンだけは、他のボタンのように真下に検知部分がない。この点が画面が反応しないことがある原因ではないか。本誌の疑問に関して久多良木社長は次のように説明した。)
 
 「使用する液晶画面はこれ以上小さくしたくないし、PSP本体もこれ以上大きくしたくなかった。ボタン位置も狙ったもの。それが仕様。これは僕が作ったもので、そういう仕様にしている。明確な意思を持っているわけであって、間違ったわけではない。世界で一番美しいものを作ったと思う。著名建築家が書いた図面に対して門の位置がおかしいと難癖をつける人はいない。それと同じこと。」

 
 
 ポイントとなる部分は3箇所だろうか。
 
① 購入客が製品機能について不満を述べているのだから、「意図した仕様」であるか、「意図していない仕様」であるかは社内の問題であって(責任問題には関係するが)、問題の本質ではないことに気付いていない。顧客が求めている答えと上の答えの対象がずれている。
 
② 「僕の作ったもの」と、さも一人で作り上げた工芸品のように語っている。③にもつながるが、社長はあくまでも「経営者」であり、芸術家・製作者とは役割が異なる。
 
③ 自身(もしくは設計に当たった社員達)を「著名建築家」と同格化して語っているが、そもそも「著名建築家」ではないことに考えが及んでいない。しかも、日本でどうか知らんけれど、「著名建築家」だって建物の機能をあまりに満たしていなければ非難の対象となる現実がある。工業的な設計者であれば、必ず機能性の問題には細心の注意を払わなければならない。「世界で一番美しいものを作った」というのも、芸術家と工業的設計者の役割定義の混乱を示唆している。
 
 
 もともと、自身の発言がどのような影響を及ぼすかという冷静な配慮なんてトップに必要な資質が弱い人らしく、過去の記事を漁ると以下のような発言もある。
 
 
 IT Media (2004/05/19)  『久夛良木副社長、PSXの世評に「何言ってんだ」』
 
 5月18日に都内で開かれたソニーの経営方針説明会終了後、『「PSX」の世間の評判についてどう思うか』と報道陣に聞かれた久夛良木健副社長は「何言ってんだと思った」と語った。
 
 
 前後で矛盾した話をすることも多いようで、この記事でも 『先日のE3で公開したばかりのPSPについては「想定している利用シーンは家の中。歩きながらゲームをする人はいない」と言い切った。』 とか。「PSPの不具合は仕様だ」の記事でも詳細インタビューが掲載されていないので、おそらく記者氏にうまく誘導されたところもあるのだろうけれど、どうやらその時思ったことを口にしてしまう傾向がある様子だ。2003年4月14日号のAERAには、「プレステ王・久多良木健 ソニー社長への道」という記事もあって、マネジメントに携わる人間としての資質に疑問符が投げかけられたりもしていた。
 
 一方、どこに商売の種があるか嗅ぎ分ける才能は確かで、その才により会社へ莫大な収益をもたらした功績があるのは確か。ちえの和WEBページさん「コンピュータ偉人列伝:久多良木健」では、1999年の時点で既にプレステのライバルとして携帯電話を位置づけている先見の明について紹介されている。
 
 プレステ2開発中の同時期インタビューでは以下のように語っている。
 
 
 ASCII24.com 「これがプレステ2だ!―SCE久多良木健氏インタビュー―」
  
 
 エンターテインメントというのは人間の本質であってね、技術とかそういうことで四の五の言ってなくても、たとえば老人力を持ってる年寄りであろうがね、言葉をまだ覚えていない子供であろうが、誰でもダメなものはダメ、受け入れられないものは受け入れられない、受け入れられるものだったら言葉とか人種の壁を超えて受け入れられる。だからエンターテインメントというのは、広く人々にコンビンス(納得させる)するのがいちばん難しいジャンルなんです。(中略)われわれが向かっているのはそのいちばん難しいエンターテインメントなんです。
 
 
 確かに、ハードを叩くということは、ある種のエンジニアにとってはすごいクリエイティブなことなんだけど、それが目的ではないはずですね。エンターテインメントを最終的に享受する立場から見ればね。だから、われわれがライブラリやツールを作ってサポートしてるのは、ソフトを作っている人がいちばんエラいからです。
 
 
 とにかく新しい技術、新しいエンターテインメントを創り上げることに興味があるわけ。自分が何をやるじゃないのね。ぼくらはクリエイターじゃないから。そういうことができる環境をどれだけサポートしていけるかというのがぼくらの仕事。
 
 
 他に、PSXに関する記事中でも以下の通り述べている。
 
 
 ASAHIパソコン HOT NEWS(2003.9.1)
 「【久夛良木健副社長インタビュー】 ソニー復活と家電の未来を読み解く 
 第3回 注目の新製品「PSX」はこうして生まれた! 」

 
 
 BBナビゲータやPSXのユーザーインターフェースをデザインする上で、久夛良木氏が絶対に譲れない点としているのが、「リアルタイム性」だ。ゲームでは常識となっている「ユーザーの操作にビジュアルや音声が完全に追従する」ということである。 
 
 
 次世代AV家電が「押した瞬間に動く」ことがユーザーに与える衝撃は、ユーザーが機器を使い込んでいればいるほどハッキリする。ただ、普段から操作性について意識していないと、こうした「手触り」の問題には気が付きにくい。言われて初めて気が付く人も多い。そのため、「押した瞬間に動く」ことを理由にPSXを買う人はあまりいないだろう。しかし、逆はどうだろう?
 
 
 次世代AV入門機として買ったPSXの操作性に慣れたユーザーが、PSX以前のちょっともたついた操作性に納得できるだろうか。人間は、ちょっとした進歩には気が付きにくいが、ちょっとした悪化にはすぐ気づく。

 
 
 同時期の別インタビューでも、PSPの前段、PSXの話で以下の通り。 
 
 
 後藤弘茂のWeekly海外ニュース(2003.9.3) 
 「久夛良木健氏が語る、ポストVHSを狙うPSXのコンセプト」
 
 そうだ。何が違うかというと、操作感。今の家電のDVDレコーダでは、これまでのAV機器のクオリティに達していない。少なくとも僕らの世界にいる人は、マンマシンインターフェイスでは手触り感が重要だとわかっている。(中略) ゲーム機なら当たり前の、戦闘中にメニュー開いてアイテム取り直して、他のプレイヤと話すという、あのスピード感がない。
 
 
 家電とPSXに関する話では文脈が違うかもしれないけれど、考えのベースを体系的にまとめているのであれば、どれも今回のPSPの問題の本質にリンクする内容の発言で、もう少し冷静な発言ができる筈だったのでは?と思わされる内容。
 
 となると、問題源が全く念頭に無かったわけではないのだから、なぜ失敗の轍を踏んだのかというのは、結構勉強になる部分。ここを「技術屋に商売はできない」という一文で片付けるのはもったいないし、問題の本質を見失っている気もする。過去の大企業の失敗例に対する研究書が幾つか出版されているが、それらを通読すると会社が典型的な失敗に陥りつつあることが分かる。
 
 
 

大失敗!―成功企業が陥った戦略ミステイクの教訓
ジャック トラウト Jack Trout 島田 陽介

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 まずは米マーケティング会社の社長が書いた本。内容の踏み込みが足りない気はするけれど、マーケティングを主眼に、幾つもの実例を元にして失敗を避けるための心構えが著されている。ソニーの最近のブランド戦略の誤りについても示唆に富んだ箇所があり、コンサル会社を「金持ちからむしりとる現代のロビンフッド」と痛烈に切って捨てる1章も痛快だけど、久多良木発言に絡むのは以下のパート。
 
 
 自社と自社の名声を課題評価して失敗したコダック: AT&T、ゼネラル・モーターズ、IBMと同じように、コダックもまた競争と新しい技術によって困難にぶつかった業界代表企業である。長期にわたる成功の歴史ゆえに、コダックは自社の名声とロゴを過信していた。したいことは何でもできると自惚れていた。 
  
 (GMの失敗例に対する)教訓-成功に気をつけろ、それなら何をやっても成功すると勘違いするな: 成功すると傲慢になり、傲慢になると失敗する。自己満足こそ、成功の敵である。必要なのは、客観性である。成功すると、人は客観性を失い、マーケットの求めるものより自分の主観を優先させてしまう。(中略)カスタマーの立場でモノを考える。自分の考えを押し付けない。世の中にはさまざまな考え方があるが、マーケティングで重要なのはカスタマーの考え方だけである。そのことを忘れてはならない。
 
 
 あくまでもブランド戦略の間違いとして書かれている文章だが、久良多木社長の発言の中心、「仕様」という言葉に対してかなり示唆的な内容となっている。特に発言の①の部分に対応する形で、カスタマーに対する客観性とプレステでの成功を背景にした自己満足の対比では、正に失敗の一つのパターンにはまり込んでいるのが分かる。
 
 同書では、有名なP&Gの歯磨き粉ブランド「クレスト」の成功から失敗への例を引いて、過去の成功の理由を教訓として決して忘れてはならない、「企業の歴史を忘れてはいけない」としている。この点では、過去の歴史が読み物として充実しているSONYホームページの以下の件が皮肉。
 
 
 第2部 第4章 第1話 「24時間サービス体制」
 
 森園(原文敬称略:放送業務用VTRの開発、販売を陣頭指揮した元副社長、現顧問)は、「売れれば良いというものではない。買った機械が動かなくなって、サービスを受けられなければ、二度と我々の製品は買ってもらえない。信頼してもらえなくなる」という信念を持っていた。
 
 
 
 先に挙げた社長の経歴を見ても、ゲーム機開発に時代の先を行く形で携わり、その後華々しい成功を収めたことから、その成功体験と自負が発言の引き金になっているのは確かだろう。そこを踏まえて、以前紹介したことのある次の本を読むと、さらに問題点が浮き彫りとなる。
 
 
 
名経営者が、なぜ失敗するのか?
シドニー・フィンケルシュタイン 酒井 泰介

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 ビジネス・スクールの教授による本なので、先の本よりも分析的で、いかに失敗を防ぐかという観点でも充実している。今回の件にもピッタリなのが以下の箇所。
 
 
 企業が成功すると、世間はつい経営者のおかげと思ってしまう。多くのインターネットCEOたちが当初もてはやされた原因の一つは、彼らの成功が会社の成功の原動力とみなされたからである。これは古典的な「帰属の誤解(成功の要因を指導者のおかげと誤解すること)」である。ここに新規事業についての大切な教訓がある。著名CEOやドリーム・チーム経営者をトップに据えたからといって、ビジネスの基本-(中略)本当の顧客に対する目配り(中略)-をおろそかにできるわけではない。 
 
 
 問題は、企業が”ナンバー・ワン”イメージを標榜し始めると、そもそもその企業をその地位に押し上げた資質を失ってしまうことである。向上心を失って、守りに入ってしまうのである。このように視線が内向きになってしまうと、社員が部外者に対する態度がすぐに変わり始める。慇懃無礼になるのである。
 
 
 自社の使命を過度に過度に思い詰めている企業は、常に”伝道師”になってしまう危険をはらんでいる。顧客のニーズを聞くどころか、顧客にニーズを押しつけがちなのだ。(中略)顧客ニーズを分かっていると思い込むどころか、顧客自身よりもそれをよくわかっている、顧客のほうもいずれ自分たちが勧めるものの素晴らしさがわかるはずだ、と考えるのだ。 
 
 
 これを見ていくと、先に紹介した本同様、発言の①の部分が③へと発展していく様子がよく分かる。成功体験が目を顧客の声へ傾けるべき耳をふさぎ、ついには「伝道師」=「著名建築家」と化す展開。さらに、同書では「失敗するトップの”七つの習慣”」をまとめているので、見てみよう。
 
 
 その1 自分と会社が市場や環境を支配していると思い込み、環境変化に対応しない
 その2 会社と自分を完全に同一視してしまい、公私混同してしまう
 その3 自分を全知全能だと勘違いする
 その4 自分を100%支持しない人材は排斥する
 その5 会社の理想像にとらわれ、会社のスポークスマンになりきろうとする
 その6 ビジネス上の大きな障害を過小評価して見くびる
 その7 かつての成功体験にしがみつく 

 
 
 情報は限られているので詳細な分析ができないが、その2=発言の②、その3=発言の③他、間接的に当てはまる項目も多い気がする。その後、同書は「ではどうやって失敗を防ぐのか?」というパートに入って行く。
 
 
 大きな失敗の前の小さな失敗: 企業が失敗する兆候は、鵜の目鷹の目で探し回る必要はない。いかなる”警告サイン”もそうであるが、問題はどこに目を光らせるかだ。メーカーの場合ならば、ちょっとした品質上の問題だ。
 
 
 経営者の性格に気をつけろ: 経営幹部がもたらす失敗の最も重要な”警告サイン”をもうひとつあげるならば、それは最も正確に定義しにくいもの、つまり性格上の問題であろう。(中略)DO保険を扱うトニー・カルバンは、まさにこの問題に目をつける。「DO責任における経営者の三大悪は強欲、友人びいき、そして否定です。」
 (中略)
 否定モードに入っているか、それともプロとしての立場を貫こうとしているのかがわかります。アナリストを頭に血が上ると、非常に洗練された人たちでさえ本音を漏らすのを私は何度も目撃してきました。主にAについて話したくてBについては関連してちょっと触れただけなのに、相手はBについて根掘り葉掘り聞いてくる。(中略)CEOがどう怒りの反応を示すかに注目してください。(中略)それがどれだけ相手の意向を無視した怒りの台詞であるかは明らかです。

 
 
 トップとは大変な立場だなぁと同情の余地もあるけれど、明らかに今回の発言が傾きつつあるソニーの様子を端的に表している。SCEの今回の「失敗の兆候」も、ソニーの社内文化を引いている部分があるのは確かだろう。
 
 
 「QUALIA――ソニーがソニーであるための力」
 ソニー(株)副社長 高篠静雄氏/月刊アスキー編集主幹 遠藤諭 特別対談
 
 
 開発者の個性がそのまま商品に出た時代: 私自身は、入社以来機械屋なんですよ。昔のアナログのテープレコーダの機械設計とかをやっていました。あの頃ってのは、機械屋は1人、多くても2人。それでキャビネットも全部設計するわけです。それと電気屋さんが1~2人。そのくらいのチームで商品ができていた。ですからもう自分で深く、デザインから商品企画的なところまでやった。最近は分散するじゃないですか、技術があまりにも横に広がりすぎていて。
 
 
 先の発言の②「僕の作ったもの」は、ここら辺を受けた発言でもある。そして同時に、時代の流れと過去の文化の相克が感じられる部分でもあって、上にも書かれている通り、「分散せざるを得ない」時代に対し、垂直方向のものづくりを維持する社内体制とのずれがソニーの落陽を産んだきっかけであると感づかせられる。
 
 
 日経BP 専門家の眼(2004.12.13) 
 「ソニースピリットはよみがえるか 第1回~失われたソニーらしさ」

 例えば、デフレが進展する中、水平分散型の開発・製造手法を取りコストメリットを追求する台湾・韓国勢の台頭によって、垂直統合型にこだわり続けたソニーが求心力を失った、というもの。アジア勢の勢いに焦りを感じたソニーの、戦略の混乱を指摘する声もある。
 
 水平分散型とは、半導体やソフトなど製品を構成するレイヤーごとにデファクトスタンダードとなっている汎用の低価格部品を集めて、一つの製品を開発・製造する手法。米インテルのプロセサと米マイクロソフトのOSを使うパソコンはこの典型だ。一方、半導体もソフトも自社製品を採用するゲーム機「プレイステーション 2」などは垂直統合の典型と言える。

 
 
 「ソニータイマー」の嘲笑が広く流通するようになった通り、まず品質面で会社の体制が素早く変化する市場に追いつくことができなくなった。個人的な経験でも、10年以上前から既にソニー製品の品質(デザインではなく信頼性・耐久性)は決して高くなかったと思う。それでも業績が良かったのは何故か?それは品質の悪さを補うだけの、新しい魅力(デザイン・新技術)を持った商品を次々に市場に打ち出していく開発力があったからで、その開発力が次に時代の流れに追いつけなくなったのが昨今。そして凋落が始まっている。
 
 
 日経BP 『描ききれぬ成長戦略、「利益率10%」構想の虚と実---ソニー』
 
 従来考えられなかったゲームとエレクトロニクスの融合」 説明に立った副社長の久夛良木健は誇らしげに語った。(中略)だが、機能の具体的な内容が分かるにつれて、徐々に熱が冷めていく。「既にある機能を1台にまとめただけ。何も目新しさがない」(JPモルガン証券の高田裕史)。そこに、かつて「イノベーション企業」と言われたソニーの気概は感じられない。(中略)派手な演出によって、一瞬、新鮮な驚きを感じるが、よく吟味してみると内容は平凡――。PSXは、今のソニーを象徴しているのかもしれない。
 
 「周回遅れ」。会見の席上、ある記者がこう表現すると、出井は気色ばんで否定した。この発言は、リストラの遅れを指摘したものだった。だが、ソニーの「周回遅れ」は、商品開発という心臓部でも起きている。それでもソニーは、競合他社との競争に勝ち抜き、営業利益10%という公約を果たせるのだろうか。「(出井の)構想は壮大だが、実体を見ればそれほど進んだ会社じゃない。ビジョン先行の出井さんと、現場の感覚が乖離している」(若手開発者)、「正直、なぜこんなにイメージがいいのか分からない。世間の見方と現実が違う」(ソニーマーケティング社員)。


 ライバルに比して技術開発に力を注ぐことを怠り、先達が築いたブランド・イメージを食いつぶして現在に至る中、過去の歴史に学ぶ必要があるのは確かだろう。「ソニータイマー」の汚名に甘んじていた時代に対して、ソニーの名を高めた源流、ウォークマンにまつわる社史を読めば、改めて品質管理の基盤を再構築する必要性が見えてくる。
 
 
 第2部 第6章 第1話 「理屈をこねる前にやってみよう」
 
 
 この、いまだ世界中のどこにも見当たらない製品の第1号機を作り上げるにあたって、大曽根にはどうしてもこれだけは譲れないということがあった。「初めて世に出してコンセプトを問う1号機に、故障があっては絶対に駄目だ。故障が多いと、そのコンセプト自体が否定される」。大曽根は、それまでの種々の経験を通して、そう確信していた。

 それに今回は時間も限られていた。盛田も「金型は流用すればよい」と言った。そこで第1号機のメカには、すでに50万台の生産実績のあるカセットテープレコーダー「プレスマン」のメカをそのまま流用した。1号機が変わりばえしなくても、ある程度不格好でもよい、それは続くモデルで挽回できる。だが、故障しやすいというイメージを、1号機で植え付けたら終わりだ。1号機の役割は、何よりも、新しいコンセプトを世に問うことなのだから。

 この1号機開発には、技術的な苦労はほとんどなかった。既存の技術を組み合わせて、信頼性を最重視してまとめ上げることにすべての力が注がれた。
 
 
 
 先に挙げたような失敗例を踏まえても、今後取るべき方向性ははっきりしている。特に、久良多木社長は先のインタビュー他でマイクロソフト社を批判しているが、その批判対象から学ぶべきところも多い(以下アキバBlogさん経由)。
 
 
 独FOCUS誌 (1995.10.23) ビル・ゲイツ インタビュー 
 「マイクロソフトのコードにバグはない (Microsoft が思っている限りでは)」
 
 「ちがうって! ぼくらがリリースしたソフトウエアには、多勢の ユーザが直してほしいと思ってるような重大なバグなんてない。」「ちがうって! もしきみがそれを本当にバグだと思ってるのなら バグを報告すべきだ。もしかすると、 きみは適切に使ってないんじゃないか? このことを考えたことがあるかい? 」「ラッダイト主義者はソフトウエアを適切に使う方法を知らないから、 よく調べなくちゃいけないよ。」

 
 ITプロニュース 日経Windowsプロ (2004.9.29)
 『Windows XPに「勝手にパスワード情報を送信する危険性」が見つかる』 
 
 この危険性に関して,マイクロソフトのセキュリティ・レスポンス・チームに確認したところ,これはバグではなく,基本的には仕様なのだという。
 
 
 ここにも登場する便利な言葉、「仕様」!驚くべき一致ではないですか。マイクロソフトが凋落の手前にいるかどうかは別として、その前兆となる「傲慢さ」という観点では恐ろしいほど発言の内容が似通っている。久多良木氏が「彼らのセンスのなさには愕然とするね」と切り捨てたマイクロソフト社の事例を他山の石として学ぶことも多いんじゃないですかね?
 

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2004.11.16

プレゼンの極意

 タイトルに偽りあり。僕が極意を知っているわけではありません。OHP主流の学会発表→フリーランス→パワーポイント→パワーポイントで社内プレゼン→米学生プレゼンと経ても上達しないプレゼン能力にしびれを切らして、少し書いてみようと思っただけ。しかし、フリーランスって2001年まで存在していたんですなぁ、少し感激。
  
   Freelance 2001
 
 ~ Microsoft隆盛の前、一時期 Excel 以上の威力を誇った(桐なぞもありましたが)表計算ソフトに Lotus というのがあって、そいつのプレゼンソフト・ジャンルでの Power Point 対抗馬。技術・理数計算では Excel というのは昔から優れたソフトだったけれど、ワープロ(Word)等々、他の Microsoft Office 製品が微妙な時期だった頃は、まだ火花を散らしていたのかというところ。Fleelance は PowerPoint よりもテンプレートやクリップアートの種類が多くて華やかだった記憶が...
 
 
 さて、回顧路線に別れを告げて本題へ。出版された当初から気になっていた本を、最近、本屋で買おうかと思って立ち読みするのですが、

 
   マッキンゼー流図解の技術
 
 
微妙な感じでいつも買うのをストップ。結構売れているらしいんですがね。コンサルで有名な会社の極意という振れ込みで、実は結構基本的なグラフ等々絵図の使い方をコーチする内容であります。こんな時にこういう意図でこんな図を使うという中盤のケース集が有効そうなんだけど、後半には効果を演出するアート集みたいなのがあって、そこを見ると昔、ガリ版で行事のお知らせ等をするために小学校の先生が使っていたイラスト集なんかを連想してしまう感じ。
 
 大学時代、学会のような専門的な場でも「プレゼンのメインは図」と教わって、確かにナルホドと思っている中、特にビジネスの場では(悪い言い方をすると)見た目でだますというのは重要というのは真理なのですが.......それはあくまでも中味があった上なんだよなぁ。上の書籍ではグラフを使う比重が高いけれど、何が目的で何を見せるのかという基本技術の土台の上に、インパクトや強調をするビジュアル上のテクニックが乗っかる気がするので、前者の部分が無い内容には少し本末転倒な気もしてしまう感じ。
 
 そこら辺は企画、営業や技術といった業種で異なるんだろうけれど、ベースを身に付けた聴き手を相手にする場合、小手先のテクニックだけでは荷が重い気もするので、少し罪作りな本の気もするのが買い控えの一要因。(実際は懐ろの苦しさが一大要因なんですが。)
 
 そうした意味では興味深いのが次のサイト。
 
 
    BB-Wave.com プレゼンマン
 
 
 業界が違えば、こんな特殊な教えが成り立つのかなってところで。意外とまともなこともかいてあるものの、第2回の例なんかは眼を引くための広告ではアリでも、聴衆に説明するような場でのプレゼンではアウトな気が。自己満足の悪例な気がしますが、本当のところはどうなのか聴衆側に尋ねてみたいものです。しかし、上記サイト周辺にはその他プレゼン術系の記事がありますな(最もキワキワなものも含めて)。本屋で見る限りでも、ニーズは結構あるということでしょうかね。
 
 Microsoft 御大も以下のようにコーチング
 
 
    MS Online Office: 優れたプレゼンテーションを行うためのヒント
 
 
 ここら辺も含めて、一般的に教わる注意は以下の通りでしょうか。
 
 
 ・最大でも発表時間1分あたり1枚くらいがめやす

 ・会場の広さにもよるが、20より小さいフォントはさすがにキツイ

 ・黄色やピンク等々、見にくい色は使わない
 
 ・デザインに凝るあまり見にくくなるのはダメ、内容をいかに魅せるか
 
 ・メインは字よりも絵図、字はできるだけ少なく(体言止め、箇条書き等々利用)
 
 ・内容を明確にするタイトル、質問用のスライド番号を付ける
 
 
 グラフの書き方にも原則があるけれど、そこはケースバイケースなところもあって、しかも技術的な部分でもあるので、ここではパス。
 
 あとは、最近、パワーポイントでの発表しか知らない世代が増えて来て、若手の発表(特に技術系)で会社でも発表時に暗くなった部屋で原稿を読み上げるだけというパターンが多くなっている気がするけれど、これもツールの弊害かな。
 
 演説におけるプロンプターみたいな存在もあるから、メモ等を眺めること自体は悪くないとは思うけれど、文語と口語のスタイルの違いが分からないまま文章を作って読み上げると、違和感が出てしまうんだよなぁ。書き文章より聞き取りにくい漢語を減らしたり、形容表現が長く連なるような文章を短くぶった切っていく、という基本が頭にあれば問題無い気もいたしますが。アイ・コンタクトによるコミュニケーションという部分は除いて。
 
 おもしろく読ませていただいているブログ「Sotto Voce」にも、古~い記事にプレゼン関係の話がある。
 
 
   The Cognitive Style of Powerpoint
 
 
 ここでもパワーポイントのテンプレートの問題点について挙げられている。ただし、少々興味深いのが「ブレット・ポイント」の話。上に挙げた「箇条書きを利用しつつ表現は短く」に対して、「箇条書きでぶつ切りにされて、ロジックが見えない内容の羅列が大問題」と立場が異なる内容です。
 
 興味津々ながら、このエントリーで触れられている本を読んでいないので何とも言えないけれど、挙げられているスペースシャトルの事故の話はプレゼンよりも記録文書の話で、少々対象になるシチュエーションが違うような気もするところ。事故調査委員だったファインマンのエッセーで、このブレット・ポイントとXYZみたいな意味不明の略語が多用されたレンガみたいな書類の山にあきれる様子が面白おかしく書いてあって、技術屋としての心構えにも想いが飛ぶところでありますが。
 
 アメリカの大学で思ったのだけれど、イメージと違ってプレゼン資料に関しては、一般的に日本人の方がアメリカ人よりうまい気が。内容そっちのけでデザインに細心の注意を払うみたいな感じが無い訳ではないと思うのだけれども、アメリカの色使いなんかのセンスはからっきしダメなことが多かったような。(こればかりは、ラテン系の人がものすごい原色を使って資料を作ったりしていたので、各国の文化背景もあるかとは思いますが。)プレゼン自体の上手さは話し方やボディーランゲージのコミュニケーション能力に依存するところも大きいので、結局全体的に見れば明らかに日本優位ではないのですがね。
 
 アメリカではプレゼン資料に図が少なくて、文章を全部書き綴った字の羅列が多かったのもプレゼン資料の優劣に思いをはせた箇所。これについては先の「Sotto Voce」記事中の議論にもあって面白いです。
 
 
 要はパワーポイントで多用されるスタイル、特に「ブレットポイント」形式は表示できる情報が限定されているがゆえに、正しい情報を伝達するのでなく、表示できる字数に併せた記述をする、という謝った方向に書き手を誘導してしまう、ということである。
 
 
 履歴書や選挙立候補者の経歴以外の文章で決して主語を省かない文構造のはっきりした英語という言語のバックグラウンドがあって、「行間を読む」文化と省略・統治が多用される緩い文法がある日本語との違いも際立つ気が。個人的には、プレゼンとは語りの部分も大きいわけだから、重要なポイントをブロックとして資料側に示して、語りで矢印の部分をはっきりさせるという方が違和感がない気がします。
 
 と、ここまで書いても、別に自分のプレゼン技術・コミュニケーション技術というのは高くないわけなので、何だか気恥ずかしくなって来ました。経験上、語学力的に英語のプレゼンは本当にもどかしかったですね。その経験を踏まえると、プレゼンの極意は、
 
 繰り返し練習して(特に他人に聞いてもらって何度か意見を求める)、話の流れを頭に叩き込んだ上で話す
 
ということに尽きる気もします。日本語の場合は、流れをつないでいくポイント感覚が短くて済むけれど、英語の場合、使うべき単語・文句を短い間隔で覚え込む、という感じでありました。ここら辺が私の低い言語能力ゆえの限界だったけれど、プレゼン技術一般として示唆的な部分。

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2004.11.08

敗軍の将、兵を語る

 アメリカにいた頃、やり残したなぁ、ということはいっぱいあるけれど、些細な一つに「向こうでもう少し雑誌を講読しておけばなぁ」というのがある。旅先の空港等ではいろいろ買い込んだりして読んだこともあるけれど、向こうは定期購読が異常なほど安くて、割引価格、年間30~40ドルとか。
 
 日本に帰って来て、少しはビジネスの話も勉強せにゃならんのかなと思いつつ雑誌を買ったりもしているわけだけど、そうした中、「日経ビジネス」の中に人気連載らしい「敗軍の将、兵を語る」という欄がある。経営に失敗して倒産もしくは再生法を申請したりした経営者等々(戦略に失敗の例もある)が自分の失敗原因を振り返るインタビュー、といった企画のわけだが......最近どうも香ばしい方々満載なのですよ。
 
 結構、冷静に自分の経験を振り返ったりする経営者もいて、ダートマス大(タック)教授フィルケンシュタインの「名経営者が、なぜ失敗するのか?」の日本版ケース集のような感じで面白い企画だなと思っていたのが、最近は週刊誌・ワイドショー的陣容へシフトしまくり。
 
 どうも最初が、2004.10.11の日本野球機構会長&コミッショナー 根来氏辺りから。これに対してはココの下の方とか後の読者からの投稿等々であきれられるという内容だけど、元々畑違いの名誉職でやる気も権限も無いというのが匂う人なので、ま、こんなものかという感じ。
 
 その後、10.25はNHK会長 海老沢氏。不祥事に対して「事件は人の資質の問題」、「1万人以上の職員を抱え、これだけ多様な職種が集まった職場というのは世界にないんです」→「だから、管理は難しい」とのたまわってます。そもそも「ニュース部門だけでなく、芸能や教育の担当、技術研究、管理部門」って、それを「世界唯一の多様な職種を持つ」って言うのは凄いな~。NHK1本やりのキャリアだと、こういう認識になるんですかね?
 
 「僕ぐらい民主主義者はいませんよ。私が怖くて意見が言えないとか、そんな人がいますか。」とか、プロジェクトXの協賛金の話についても「協賛した企業は賛成してくれました。どこからも苦情なんて来てません。むしろ褒められて大変ですよ。」とか、何だか突っ込みどころが多過ぎて、頭に血が上ってるのか何だか。本当にそう信じ込んでいる感じがするのも、人間って環境次第でこうなるのかな、恐ろしいなと。
 
 11.8には、元カネボウ会長・社長の帆足氏。後継者に指名した社長に、旧経営陣の粉飾決算等不正行為を糾弾されて、「あの野郎には、もう本当に怒り心頭」と罵倒。泥臭い世界の中で裏切られたという気持ちは分らんでもないけれど、後継者に指名したのに、その後一度も相談が無かった~とか、先輩・後輩なんだから~てな恨み節オンパレード。
 
 再生機構の利用は判断ミスだった~としつつ、「銀行が、再生機構というのは最終的にこういうことをするところなんだと説明してくれれば、こんなことにはならなかったんだけどね」と仰るくだりは凄いなぁとひたすら感心。
 
 というわけで、何だかワイドショーみたいなんで、もっと冷静に経営者としての分析をしてくれる方々にご登場していただくようお願いしたいもんです。
 
 
 
 
 
 と思っていたら、こんな話。お次はライブドア社長ですか。無料プロバイダのライブドアを出先で利用していた頃が懐かしいと遠い眼になるところが、今や巷のおっさんも興味津々の方ですからなぁ。ぜひ、前記の諸氏の轍を踏まない、内容のある記事にして欲しいものであります。
 
 
 
 
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2004.11.07

自販機のひみつ

 一つ前の記事で日本に帰って来て感じたことなど書いていたわけだけど、他に些細な感動があったのがジュースの自動販売機
 
 白物家電の世界で今IT技術導入の綱引き等々あるわけだけど、日米の家電は恐ろしく違う。ゴツイ、必要最小限の機能。「細かいニーズなんて知らん!洗濯機は洗えりゃいいし、冷蔵庫は冷えりゃいいんだよ」の精神の元、「激しくかき混ぜられ痛む衣服」「凍りつく食材」なアメリカ製家電達の精神が象徴する通り。
 
 アメリカの自動販売機も同様の精神の元、1ドル札以外お断り、紙幣もなかなか飲みこまねぇし、壊れたまま放置、補充されてない、甘ったるい炭酸飲料ばっかなのに吐き出されるボトルは激しく振り落とされたお陰で絶対に泡が吹き出すあんばいの3重苦。そもそも壊されて金を奪取されるから、街角に置いてないんだけどね。
 
 そこに来て日本の自販機。久しぶりに戻って来たら、紙パックジュースの自販機の新型をよく見かけるわけ。こんな感じの、まぁ昔からあるタイプ。
 
 
            vending_machine_jp.jpg
 
 
 昔ながらのタイプっていうのは菓子パンの自販機と同じで、前の押さえ金具を外す→後ろから押す→ポテッと商品が落ちる、という仕組みが大半だったと思うのだけれど、新型は押さえ金具の部分がプラスチックの小さい部品で、歯車がカタカタと回って跳ね上がる→後ろから押す、ここは同じ。でも、前に商品のところまでキャッチするキャリアが動いて行って受け取り、下まで持って行ってから落とすという過保護ぶり。パックの変形を防ぐという配慮ですかね~商品が出てくるまで時間がかかり過ぎる気がして、いいから早く落としてくれイライラというのが大半の反応の様子なんですが...
 
 日本でのワールドカップ開催時の各国報道とかでも、サッカーそっちのけでウォシュレットを見て笑い転げる外国人という絵図があって、昔から日本の「要らん機能の過剰搭載ぶり」が外人にとっては「クールさ」と「笑い」の境界線上にある魅力に映る様子だったわけだけど、この新型(既に新型ではないのかも?)自販機は日本お馴染みの「バカハイテク」だと、海外へ動画配信したくなったところ。
 
 しかも、2列ある商品配列が見た目の配慮だけでなくて、機構が引っかかってスタックした際にはもう一つの列から商品を取り出すという冗長系!この2重系ぶりには感心したんだけど、結構、スタックしているのかなぁという感も。
 
 
 てな感じで、おまけに自販機についてちょっとしたトリビア。実は、日本のジュースの自販機は2社の寡占状態。その片方のHPに飛んでみませう。
 
 
 富士電機リテイルシステムズ(株)のホームページ
 
 
 
 上記の自販機の歴史や構造説明のコーナーは結構へーって感じ。「1.自販機のルーツ (紀元前~)」曰く、
 
 
 
 聖水自販機
 
 上部の口から硬貨を投入すると、その重みで受け皿が傾き、硬貨が落下して受け皿が元の状態に戻るまでの間、出口の栓が開いて水が出る仕掛け。

 
 
 
 ま、諸感こもごもですが...... 続く、「2.双方向自販機の登場」では、
 
 
 
 下のイラストは、平成9年8月に横浜で開催された産業技術歴史展~テクノフェスタ21会場において日本自動販売機工業会が展示した「クリニック・ベンダー」です。患者がディスプレイに現れたドクターと交信し、問診に応えると症状に適した薬が販売されるという未来の自販機システムです。  
 
 
 
 とか、ドンキホーテvs厚生省の馬鹿げた泥試合の遥か先を行くビジョンがそこにはあるではないですかっ!
 
 
 
 
 ~ おまけ ~
 
 「自販機」で画像検索をかけてみた際に引っかかった画像。
 
 
 自動販売機inアントワープ
 
 
 これはこれで、何ともはや。「コンビニ・イン・ベンディングマシ~ン」と来たら、日本も負けていられんのではないでしょうか。

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2004.01.24

人事と採用に関する軽い内容の書評

 ビジネススクール周辺の英語の論文や本あたりを魚に、Oraganizational BehaviorとかHR Managementをここで語れれば格好いいんでしょうが、専門外の文献を読む時間もないのでねぇ。興味はある分野なので、遠い将来、暇になったらその内読んでみようかとは思っているところ。ということで、気分転換にもなるような「軽い内容」の本を昔読んだ感想をまとめて。
 
 ちなみに基本的に昔からビジネス書の類は嫌いで、あんまり読まなかった。内容薄いし、ベストセラーになるようなものの中にはとんでもないものもあるし。ただし、会社人間を経験すると、どんなことが書いてあるか気になったりもするもので、たまに買っちゃうんです。
 
 
1. W.パウンドストーン/ビル・ゲイツの面接試験 -富士山をどう動かしますか? 
 
 松岡正剛氏の書評ブログ「千夜千冊」にも取り上げられていたぐらいで、本好きが読もうとなるぐらいのユニークな内容はもっていると思う。現代の"Microsoft's Cult of the Puzzle"の方が本来の内容に近い題だとは思うが。マイクロソフトで実施している伝統的な難問パズルを出して解かせる圧迫面接的な方法論に関するお話である。
 
 先に挙げたサイトにて一部の問題が紹介されているが、本の大半はマイクロソフトで採用面接時に用いられる「とんち問題」について。これが結構、理系の人間には面白い要素を持ったパズルで、なかなか興味深いのだ。幾つかの問題は最適解を求める学究的テーマの基本だったりするし。ただし、タイトルになっている「富士山をどう動かしますか?」という問題はイマイチ。原書もこの問題をタイトルに持って来ているようなので、インパクトはあるのだが。
 
 執筆に協力してもらったからか、公平を保とうとしているのか、方法論に対する批判は少しまだるっこしい感じもする(何となく言わんとしたいことが伝わって来る微妙な温度)。確かに、本でパズルを読むのは面白いけれど、こんな面接を実際に受けるのは御免こうむるといった感じ。日本でも新し物好きの経営者とかが興味を示しそうだが、あまり理にかなった方法とも言えないだろう。あくまでも著者の書く通り、「会社に入るべきでない人間を外すためで、入るべき人間をもらすことは構わない」方法論だし。入社後の成長と教育を重視する日本的企業土壌にも合わない気がする。
 
 個人的に面白かったのは途中に挟まる知能テストの歴史に関する部分。「IQ」というものがアメリカで現在どういう位置づけにあるか、ということが分かる(信憑性・差別性等々で公的な場から姿を消している)。ちなみに発祥はベイエリアにある大学、Stanfordとのこと。この発案者のトチ狂いぶりも面白かった。こういう下調べした素材を挟み込んで層の厚い内容にするのは、欧米の書籍水準のいいところでは。ビジネス書・経営者本では、水で薄めて最初から2~3冊出すつもりで書いているようなのも多いから。日本ではそもそも理系的な要素を全排除しないと、本が売れないというのも困ったもの。教育の問題なのかな。
 
 
 
2. 辻太一朗/「面接官の本音」
 
 日米の入社選抜方法を知るという上で、1.と比べてみると面白い。ただし、こちらはハンドブック的な、日本の入社試験での面接官の質問には、このような意図が込められている、もしくは込められているべきというお話。最近、人事系の仕事をしていた人が退職して、コンサル会社設立というパターンも多いようだけど、この人もリクルートからそういった口。ただし、中でもこの本、意外としっかり作られていて、ケーススタディ等の裏づけもある。大部分は面接を受ける側の読者のためかもしれないが、面接する側としても面白い本とも。
 
 心理学の実験で有名なものに、何時間面接をしようが人間の印象は最初の何分かで決まり動かないというのがあって、大学でも教授達の授業でテストしたら、学期の最後の評価と初日の評価はほぼイコールだったとか。う~ん、アメリカの大学では学期末に教授に査点するのが通常なんだけど、自分の経験からすると学期中の態度等で若干評価も揺れる気はするんだが。ただし、仕事していた頃少し人事関係を手伝ったこともあるのだが、概ね第一印象の威力というのは正しいような気がする。だからこそ、点をつける側も、この本に書いてあるようなことを参考にして、自分なりの評価軸をあらかじめ決めておくというのが重要な気がするのは確か。
 
 
 
3. 梅森浩一/「『クビ!』論」
 
 最後の本は採用に関する内容でないので、並列で挙げるのもどうかと思うのだけれども、あまり良くなかった方の本の例ということで。
 
 扇情的なタイトル通り、外資系企業でリストラを実施した人事担当の著者による本。著者の結論は「外資系企業のやり方を取り入れて、日本的な企業風土から脱出せよ」ということ。う~ん、こういうことは皆分かっているから、もっと踏み込んだ話を皆聞きたいのでは?と思ってしまうのは僕だけなのだろうか。そもそも、欧米方式一辺倒でない日本独自の経営の方向性を模索すると言っている企業(トヨタとか)もある時代だし。
 
 外資系企業(著者の経験はあくまでも日本にある「外資系」の企業でのものであって、海外でのものではない)の内幕話は興味深いのだが、クビを切るだけで新たな人材を雇う戦略性のない(欧米では人のカットと同時に新たに雇用も行うとか)「最悪の日本的経営」と言いつつ、本の中にはクビをバシバシ切っていく話しかないんですよね。人事担当者ならば、採用や人材の育成という、もっと奥の深いテーマについていろいろ経験や考えもあると思うのだが(実際ビジネス研究でもここら辺は盛ん)、次書を待てということなんだろうか。出し惜しみしないでね、と言いたいところ。
 
 
 
【過去のコメント】
 
[マキロン] [2004/01/26 18:56] [ MyDoblog ]
>・・・本の中にはクビをバシバシ切っていく話しかないんですよね。
やはり、その程度の本でしたか。
クビを切りまくって、偉そうに本なんか出すあたり、
お里が知れるというか、人間性を疑ってしまいますね。

[blue&gold02] [2004/01/27 01:29] [ MyDoblog ]
ビジネスの世界では冷徹さもありだとは思います。でも、本の内容の濃度が......なんですよね。「クビ宣告の時のため、ティッシュを用意」とか。
人を切っても、会社を立て直すためにこのような建設的施策を打ったとか打つべきいう部分が欲しかったです。ご本人も「それが必要」という持論を展開していらっしゃるし。

[マキロン] [2004/01/27 21:07] [ MyDoblog ]
>人を切っても、会社を立て直すために、
このような建設的施策を打ったとか打つべきいう部分が欲しかったです。

そうですよね。そうしてこそ本として出版する意義があると思います。
日本では、よく「クビ切り」(僕はリストラとは絶対言わない)が効果を上げた、などと聞きますが、
本当にそれしか手がなかったのかと、疑ってしまう事が少なくありません。
どうしても「クビ切り」が必要なのなら、
同様に、経営陣の能力アップもまた必要だと思いますね。

[blue&gold02] [2004/01/28 09:06] [ MyDoblog ]
平均的に日米の会社社会を比べると、仰る通り、和トップ<米トップ、和ボトム>米ボトムだと感じますね。やっぱり、日本はリーダーシップが育ちにくい文化が背景にあるのでしょうかね。

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2003.12.06

リベート戦略の裏側

【過去のTB元】 [メール・イン・リベート]
 
 Newellさんのブログに記事があったので、ビジネスの話を書いてみようか。もともと、専門分野の工学的な話とビジネスに関するまじめな話を書こうと思っていたのだが、ちゃらけた話ばかりで、ジャンル「お仕事・ビジネス」にはエントリー・ゼロのまま本日に至る。これが、初記事になってしまった。
 
 ちなみにここで言う「リベート」は賄賂のことではない、ディスカウントの方式のこと。アメリカでは「メール・イン・リベート」という値引き方法がポピュラーである。これは、店頭での購入時には通常額を払い、製品に付帯した葉書等々に必要事項を記入して送付。1~2ヶ月後、忘れた頃に値引き分の小切手が届く、という方式のこと。ネイティブも「リベート面倒くさいから嫌い」と言っているが、それならば何故このような面倒な方式が一般的なのか。企業側の目で考えてみよう。
 
 
1. 小切手社会アメリカ
 
 日本では公共系サービスはほぼ間違いなく口座自動引き落とし。しかし、アメリカでは以前として、毎月請求書送付→小切手を切って郵送、というのが一般的。月末の郵便ポストを狙った窃盗犯が出没するぐらい。だから、行為自体に抵抗がない。
 
 
2. セルフ・サービス
 
 上に通ずるのだが、アメリカのサービス産業では「いかに効率化するのか」という命題の元、会社がサービスを削り、その分顧客が動く、という図式ができる。例えば、トイザラスをイメージ。広い店舗の中、物を取りやすいよう整理して運ぶのは店員ではない。店舗=倉庫にして無駄な移動の手間を省き、倉庫の中を歩き回って商品を見つけ出す作業を客に押し付ける。
 
 近所の大型チェーンの文房具屋など、広い店舗に店員が数人しかいない。広さが20倍もあるだろうに店員数は日本のコンビニ並み。こうした効率化に対し、顧客側も元々高いサービス・レベルを要求せずに、安価という利益の方を重視する。だから、多少の手間は安くなるのならば受け入れられる。
 
 
3. クッション効果
 
 ペイバックの小切手を送りつけるまでに時間があるということは、企業側にとって先にお金を手にすることと等しい。金利面等を考えれば企業にとって、これは望ましいこと。加えて、先のネイティブの言葉通り、面倒くさいので決して100%の購買客がペイバックを要求して来ないという利点もある。
 
 
4. サプライ・チェーン
 
 ここが一番重要な部分かもしれない。アメリカには、90年代、SCM(サプライ・チェーン・マネジメント)と呼ばれる戦略で急成長した企業がいろいろある。代表例はWalmart、Dell等々。要は、設計~生産~輸送~在庫~小売~顧客という流れについて、全体最適化を目指す方法論。
 
 かつては「メーカー」「輸送業者」「スーパー等の小売業者」がそれぞれの利益を個々に追求するのが普通だった。いわゆる局所的な最適化。しかし、局所的な最高利益の合計=システム全体の最高利益ではない。が、分かってはいるもののマーケティングから生産計画まで全てのデータを扱おうとしたら人間の能力など簡単にオーバーフローしてしまう。PCの高性能化と低価格化で、簡単に大量のデータを基にプログラムを走らせて、リアルタイムに最適解を得ることが可能となったという背景の元、一気に可能となった。
 
 VMI(ベンダー・マネジメント・インベントリー)という、PG&E辺りが始めた方法論がある。メーカーがスーパーの在庫データをリアルタイムで取得し、メーカーがイニシアチブを取って店舗の在庫も全て管理するという、人の懐に手を突っ込むような方法。しかし、これで売り上げと過剰在庫のコストが削減できて、両者ともホクホクしたのである。
 
 こうしたメーカー側からの小売店舗側へのコントロールの必要性が、過去にメール・イン・リベート方式を産んだ。小売業は自分の持っている在庫を処分すればよく、それ以上の販売に対してメーカほどの欲求はない。そのため、メーカー側から値引きという形で値段をコントロールし、販売を促進するというリベートという方法論が生じた。したがって、上に述べたようなSCMによる全体最適化が進んでいる近況では、今後このようなリベートによる販促方法は目にしなくなる日も遠くないのかもしれない。
 
 

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サプライチェーン アメリカの流通?

 
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[Newell] [2003/12/06 03:43] [ MyDoblog ]
メール・イン・リベート。
はっきり言って面倒くさいです。買うときはリベートがあるからっていう理由で、その商品を買ったのに、リベートの書類を出すのを忘れたりするのもしょっちゅう。そんなときは、売り手の戦略にはまったな、と思うのですが。
だいたい、$10以下のリベートは、よく忘れます。
 
[blue&gold02] [2003/12/06 12:10] [ MyDoblog ]
確かに面倒くさいですね。ものによっては返品もあるかなと思って、じゃあリベート郵送も後にしようと考えた後、忘れるというのが僕の黄金パターンです。

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