トラックバック・スパムとクラシック初心者にお勧めと (2)
え~、(1)の話で「トラックバック野郎」のような企画も今後必要なくなっていくんですかねぇ」というように書いたんですが、12月の半ばからココログがはてなとのタイアップ企画をやっていて、その中で別途トラックバック企画をやっているんですよね(なんでも百選)。
開始されて数日後に覗いてみたところ、これはあんまりトラックバックつかないだろ~なと思ったのが、「ホントはカンタン クラッシック初心者にお勧め1枚百選」。現在も参戦は2枚のみ。しかも両方ともコメント無しだから、本当にお寒い状況です。(そもそも「クラシック初心者」って何だか少々お寒い言葉だと思います。)他のテーマもかなりお寒い状況で、キャンペーンの企画が悪いのか、はたまた露出が少ないのか、神のみぞ知るところであります。
音楽やブログというのはネットやブログとの親和性もいいのか、検索かければありとあらゆる推薦記事、しかもかなりマニアックなジャンルまで出てくるんだけど、クラシックは今まで2箇所見かけたぐらいなので、逆に相性が悪いのかな?と思ってちょろっと調べてみました。個人ページのリンク集ですが、そんな感じで存在しているようです。
で、そのリンク集元のCLASSICAさんは人気サイトのようですね。僕も昔、この企画の紹介記事をどこかで目にしました。
「無人島の一枚」
リムスキー・コルサコフの「シェヘラザード」なんて確かに初心者にお勧めだと思うので、上記のサイトを眺めてもらった方が参考になるような気もしますが、とりあえず個人的な好みと、オルタナティブやテクノ、ジャズ辺りを聴いた耳で勧められるのはどの辺りかって感じで選んで見ましょうか。企画のトラックバック状況が寂しい限りなので、思いつくまま羅列してみっか。
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上記の「無人島の一枚」でも意外な人気でちとビックリしたんですが、マーラーは19世紀末から20世紀の退廃的な時期をウィーン中心に過ごした作曲家。当時は指揮者としても活躍していて、ケン・ラッセルが伝記映画を撮ってます。革新的な交響曲を9曲書いた辺り(10曲目は途中で逝去)で、「近代のベートーベン」的に位置づけられるんですかね。1曲が長いのでレコード時代は若書きの第1番ぐらいしか人気がなかった不遇の作曲家(各楽章すらLPの片面に収まらなかったので)だったものの、CD時代に入り一気に人気に火が付いたという時代の流れもあり。
CD時代になって人気が高まったというのにはもう一つ理由があって、ストリングスの重低音や甘い旋律が流れていたかと思うと、いきなりブラスが吼え始めるといった、レンジの広さが録音技術のネックだったという点。僕は、そこら辺がロックのダイナミズムに通ずる感覚だと思うので、敢えて初心者にもお勧めしたいのですが、ちと長いのが厳しいかな。最初はBGMとしてどうでしょう?ちなみにマーラーの5番には映画「プラトーン」で有名になったアダージョがあり、7番は百鬼夜行をモチーフにした「夜の歌」、8番は演奏者が千人必要という逸話で有名と、キャッチーなネタに事欠きません。
2番、3番は俗っぽさもあるのが聞きやすくて最初にいいと思いますね。特に、2番は最後で入るコーラスの旋律といい、クールじゃないかと思うんです。初心者にクラシックがやっかいなのは、演奏者と作曲者がイコールではないところ。演奏者が違うと、ポップスで言えばカバーのセンスの如く曲の色合いが変わって来るので、名演を選びとるのが難しいんですよね。星の数ほどあるレコードを全部聴くわけにいかないし。ただし、演奏者にも得意とする作曲家等々相性があるので、有名なマーラー振りは10人ぐらいに絞られる気もします。2番の場合は個人的な好みでシノーポリ盤を推しておきますよ。癖が強いけれど、ロック的な醍醐味といえばバーンスタインもいいのかな。
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ダイナミズムという点で言うと、やはりシンフォニーがいいと思うんですが、ショスタコービッチの5番とかこのシベリウスの2番とか、いい意味での親しみやすさがあって初心者から上級者まで楽しめると思うんです。評論家の小林秀雄だったかが、ドボルザークとかシベリウスとかを通俗作家と切り捨てているのを読んで、親父系ジャス評論家とかと変わんねぇなぁと思うわけですが、これは演奏もピカイチなので文句のつけようがないでしょ。
ちなみに指揮者のバーンスタインは作曲家として作品も書いているんですが、ミュージカルの名作「ウェストサイド・ストーリー」を書いたという辺りでも「クラシック初心者」には親しみが湧くのではないでしょうかね。
![]() | ブラームス:交響曲全集 ウィーン・フィルハーモニー管弦楽団 ブラームス ベーム(カール) ウィーン楽友協会合唱団 ルートビッヒ(クリスタ) ユニバーサルクラシック 1991-08-25 売り上げランキング 51,270 Amazonで詳しく見る by G-Tools |
本当は交響曲で有名な作曲家ならば全曲聞いてもらいたいというのはあるんですよね。ベートーベンとかマーラーなんて、いわゆる捨て曲無しの作曲家ですから。The Beatles辺りで洋楽を聞き始めて、歴代のアルバムをさかのぼって行くような聞き方で。と言っても、財布の中身は限られているので、ちと高いけれどいきなり全曲聴ける全集が買えてしまう作曲家をチョイス。
ブラームスは19世紀のドイツ・ロマン派の作曲家。ロマン派というだけに歌心にあふれていて、ストリングスの使い方がグレートです。1番が最も親しみやすいとされるようだけど、完成形の定番4番、賛否が分かれる問題作3番とか、何だかポップスのアルバム紹介のようですな(The Pixiesのアルバムの位置づけとダブるような)。生涯4曲しか書かなかったんだけど、とにかくメロディを口ずさみたくなるような作品ばかりで、捨て曲なしです。
![]() | 4大ヴァイオリン協奏曲集 ミルシテイン(ナタン) ウィーン・フィルハーモニー管弦楽団 ブラームス ヨッフム(オイゲン) メンデルスゾーン アバド(クラウディオ) ユニバーサルクラシック 1998-07-15 売り上げランキング 4,956 Amazonで詳しく見る by G-Tools |
好きな楽器や曲のスタイルで聴くという選択もありかなと思って、個人的に好きなバイオリンの音色が楽しめる協奏曲集。超有名曲が4曲入りということで、自分が昔聴いていたのはスターン版だった気もするところ(廃盤の様子)、とりあえずこちらをお勧めしておきます。聴いていないから申し訳ないですが、アバド指揮のヨッフムということでクオリティは一定レベル以上のはず。
チャイコフスキーやメンデルスゾーンのメロディの冴えはソングライターとしても一級だから、ポップス愛好者にも楽しめると思うんです。後は、ドボルザークのチェロ協奏曲とか。クラシック特有の変奏が繰り返されて徐々に時間をかけて曲が進んでいく辺りが退屈と思う人もある部分だけど、ジャズ等のインプロやテクノのような音楽とそんなに遠くないのでは。
![]() | R.シュトラウス/アルプス交響曲 ベル(デイビッド) ベルリン・フィルハーモニー管弦楽団 R.シュトラウス カラヤン(ヘルベルト・フォン) ユニバーサルクラシック 1998-06-10 売り上げランキング 30,689 Amazonで詳しく見る by G-Tools |
マーラーを「CD時代になってから脚光を浴びた」と紹介したけれど、R.シュトラウスもCD時代ならではの弦から管までフルに使って色彩の洪水みたいな曲を使うという点でお勧め。初心者といえば、ムソルグスキーの「展覧会の絵」(ロック・リスナーにはELPのカバー、電子音楽好きには富田勲のカバーが有名ですかね)とか、先にも触れた「シェヘラザード」とかあるとは思いますが。
テーマがはっきりあって絵を書くように書かれたこういった管弦楽の組曲は、イメージとの相関という分かりやすさで初めての人にはいい気もします。登山する人が道を歩いていて嵐にあったり、きれいな滝を見つけたりという一連の流れが曲になってます。ちなみに、R.シュトラウスは他にも「英雄の生涯」とかもお勧めできる感じ。この作曲家と言えば、クラシックを聴かない人には、ニーチェの哲学書に題をとった「ツァラトゥストラはかく語りき」が映画「2001年宇宙の旅」の冒頭のファンファーレに使われたおかげで一番有名なのでは。
指揮者のカラヤンは僕の世代まで一般的にも有名な名前だと思うけれど、たくさんの録音を残している中で、定評があるのはこういった表面的(というと言葉が悪いけれど)な曲の方かな。ベートーベンとかは軽過ぎる気もするんだけど、その軽さが現代的といえば現代的。演奏の隙のなさが凄いんですけどね。とにかくR.シュトラウスは、最もカラヤンの個性とあった演目の気がします。
そういった線では、ここら辺り。
![]() | ホルスト:惑星 ロンドン交響楽団 ホルスト プレビン(アンドレ) 東芝EMI 1998-12-09 売り上げランキング 200,996 Amazonで詳しく見る by G-Tools |
カラヤンの十八番中の十八番なので、そちらを挙げとけば問題無いと思うんだけど、敢えて個人的に聴いていた奴を。ただし、新興レーベルから出ていた奴が見つからないので、別の時の録音になってしまうようなのが残念。「火星=戦争の神、マース」といった具合に神話の性格付けを背景に、太陽系の惑星達を描いた組曲でメロディの印象がなかなか。絵画的なので、これも初めてにもいい曲かと。
昨年、平原綾香だかが詞をつけてヒットさせていた「ジュピター」(少々詞がいただけないと思うんですが~歌唱力もか)が、この組曲中の「木星=ジュピター」の有名な主旋律です。今さらながらの選曲だけど、いいものはいいということで、音楽ジャンルを超えてアピールするグッド・メロディということが証明もされたわけだけど、今後も著作権が切れているクラシック曲を借用していくケースが出て来るんですかね。しかし、最近、3つか4つかのテレビCMのバックで使われまくりですなぁ、木星。
![]() | ラヴェル:オーケストラ作品集 〔ボレロ/道化師の朝の歌/スペイン狂詩曲/ラ・ヴァルス 他〕ハイティンク/ACO ラヴェル ユニバーサルミュージック 1994-07-06 売り上げランキング Amazonで詳しく見る by G-Tools |
先にムソルグスキーの「展覧会の絵」の名を挙げたんですが、管弦楽団が演奏する管弦楽バージョンに書き換えたのがラベルというフランスの作曲家。そこからも分かる通り、ストリングス・ブラスの使い手でもあるわけで、上のようなCDはどうでしょうかね。こちらも未聴なんですが、有名な「ボレロ」+自身のピアノ曲を編曲した「クープランの墓」が入っているようなので。
この組曲「クープランの墓」が好きなんだけど、意外とCDが出回ってない気がします。ラベルは古典主義的なところがあるので、Aメロ~Bメロ~サビ~Aメロみたいな3分ポップスのカチッとした構成に慣れた耳にはいい気もしますね。
![]() | コダーイ:ハーリ・ヤーノシュ クリーヴランド管弦楽団 コダーイ セル(ジョージ) プロコフィエフ ボロディン リムスキー=コルサコフ ソニーミュージックエンタテインメント 2000-08-23 売り上げランキング 38,300 Amazonで詳しく見る by G-Tools |
後は、ロシアや東欧のエキゾチックな節回しを取り入れたここら辺はどうでしょうか?指揮者のセルも少し世代が前になるんですが、アメリカのクリーブランド管との絶妙な演奏でなかなかイイんですよ。「ハーリ・ヤノシュ」はチェコ(だったかな?)の「ほら吹き男爵」のような話を元にした組曲で、洒落っ気ある感じが単純に楽しめるのでお勧め。プロコフィエフもロシアながら、同様の親しみやすい味わいがあるのでコンピレーションもナイスかと。
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民謡や民俗音楽を取り込んだ小品集ってのは、最初に親しみやすいところだと思うので、もう一発。こちらはフランスのオーベルニュ地方の曲を集めた作品ですね。昔聴いていたアルバムが無いので、良さそうのを選んでみました。ちと、本当にいいか分からないのが問題ですけど、曲はクラシックを聞きなれない人にもいいと思います。
![]() | プッチーニ:オペラ・アリア集 オムニバス(クラシック) シュトライヒ(リタ) ペータース(ラインハルト) ベルリン・ドイツ・オペラ管弦楽団 プッチーニ フレーニ(ミレッラ) ユニバーサルクラシック 2002-09-25 売り上げランキング 9,359 Amazonで詳しく見る by G-Tools |
オペラは最も愛好者以外に勧めにくいジャンルだと思うんですが、それも間違い無くて、そもそも音楽だけ聞くものでなく、舞台で見る総合芸術なんですよね。だから、CDで勧めるのは本道ではなくて、逆にこういったガラ(オペラ内の歌曲=アリアをコンピレーションしたもの)こそ、特に初めての方にもいいのかと。
オペラの脚本というのはその時代の流行りものを取り入れる場合が多いので、はっきり言ってとんでもないいい加減なものも多いです。モーツァルトとか一流の作曲家の作品でもそう。イタリアのプッチーニなんかも、昼下がりのメロドラマみたいな内容ばかりで、勘違いのアジア観(「蝶々夫人」「トゥーランドット」)も満載なんだけど、そういった俗っぽさが音楽ではいい意味で現在の感覚にも通ずる感じなっていると思うわけで。
とにかくメロディの冴えはピカイチで、そこらの名作ミュージカルと遜色ないのでお勧め。昔聴いていたデッカの編集盤が曲数を詰め込みまくりだったので挙げたいんだけど、輸入盤だったのでどうやら廃盤かも。ということで、同じくクラシック・レーベルの名門(ジャズでいうブルー・ノートみたいなもんです)のグラモフォンの編集盤を挙げておきましょうか。
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クラシック初心者向けのコンピレーションって、洋楽で言うところの「NOW」、いやさらにもっとベタな日本のヒット集アルバムのようなセンスのかけらも無いのが多いです。一番問題なのは演奏者で天と地の開きが出るのがクラシックなので、ああいったコンピレーションで演奏の質がほとんど考慮されていないのが問題なんですよね。
と、こんな話をしたのも、最近、映画紹介やバラエティ番組のBGMに使われているからか、そういったコンピレーションに頻繁に冒頭曲が入っているオルフの「カルミナ・ブラーナ」。中世の音楽をモチーフにした、プリミティブな合唱が新鮮で、確かにクライマックスの映画音楽にピッタリ。全曲通したドラマ感もいいと思うので、ぜひ原曲全ての一聴をどうぞ。
後はおまけ。CD検索している間に見つけて、個人的にちょっと聴きたくなった未聴盤を2つだけ。
![]() | 恐怖音楽 オムニバス(クラシック) トーマス(メアリー) アサートン(デイヴィッド) ロンドン・シンフォニエッタ シェーンベルク ショルティ(サー・ゲオルグ) ユニバーサルクラシック 2003-07-23 売り上げランキング 10,870 Amazonで詳しく見る by G-Tools |
日本のコンピレーション盤のセンスの無さについて嘆いたけれど、何だか面白そうなのを見つけましたよ。楳図かずおのジャケットもいかした、悪魔とかをモチーフにした音楽集。タイトルのセンスもなかなか。
![]() | メシアン:峡谷から星たちへ チョン・ミュンフン フランス国立放送フィルハーモニー管弦楽団 メシアン ムラーロ(ロジェ) ジュスタフレ(ジャン=ジャック) プティ(フランシス) ユニバーサルクラシック 2002-10-30 売り上げランキング 230,987 Amazonで詳しく見る by G-Tools |
昔、現代音楽&哲学好きの友人から借りて聞いたのが懐かしい、メシアン。代表作とされる「トゥランガリラ交響曲」ですら当時あまりCDが出回っていなくて、この「峡谷から星達へ」なんかも演奏者を選ぶ余地が無かったんですよ。何か未だに選択肢も狭そうだけど、アメリカのユタの情景を元にしたというこの作品、実際の風景も目にした今、聴き直したいなと思うわけですわ。でも、何だか格好いいですよ。クラシックや現代音楽に慣れていないと敷居が高いのは確かですが。














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